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各章を担当している研究者についてまずは記しておく。 序章 社会学のあゆみ―学としての成立と発展…新睦人 第1章 現象学的社会学…西原和久 第2章 エスノメソドロジー…好井裕明 第3章 ブルデュー社会学…山下雅之 第4章 フーコーの社会理論…三上剛史 第5章 ルーマンと社会システム理論…馬場靖雄 第6章 ハーバーマスと批判理論…森元孝 第7章 ギデンズの社会学…宮本孝二 第8章 社会的ネットワーク論…森岡清志 第9章 合理的選択理論…盛山和夫 第10章 ウォーラースティンの世界システム論…油井清光 本書は以前に出版された ・『社会学のあゆみ』(1979) ・『社会学のあゆみpart2』(1984) の続編的な位置付けになっている。 上記のふたつの内容は序章にて編著者である新睦人がまと めている(ジンメル、デュルケム、ウェーバー、社会学の 3大巨人とパーソンズについてのまとめ)。 『あゆみ1』と『あゆみ2』を読んだことがあるのだが、入 門書としては歯ごたえがありすぎるという印象があった。 それに対して本書は読みやすかった。さらに、<リンク> と呼ばれるコラムが章末にあり(合計23つ)、それが非常 によかったと思う。本文の中では扱いきれなかった論と論 の相違点や共通点、はたまた後の研究への影響などが書か れており、効果的であった。 社会学入門テキストは先の3大巨人やパーソンズはともかく として、ブルデューやギデンズ、ルーマン、ハバーマスにつ いては紙幅の都合により簡単に説明されて終わることが多い ように思う。そのため、すでに何かしらの社会学テキストを 読んでいる方が読むと20世紀後半の社会学史が補強されてよ いのではないかと思う。また、本書を読んだ後に、それぞれ の内容を専門的に扱っている文献に進めば、読みやすいので はないだろうか(学説史の流れを掴んでおくと、著者が何を 超えようとしているのかがわかりますしね)。
概説書としては良書だろう。 似たようなコンセプトの本の中には、「命題コレクション社会学」などがあるが、某教授に言わせれば、これはもう古いのだそうである。 興味深いところと言えば、ドイツの学者について研究されている方の書いた文章はドイツ語的で、イギリスの学者について書かれた文章はイギリス英語的であるところか。 文献漁りの出発点としては、これ以上ない一冊と言える。