人生とはこういうものでいいのですね、と確認できた。
子どもと読んだが、まだ人生が始まったばかりの息子には
「なんだか良くわからない本」だった。
当然だ。
この本は大人向け。自分の人生について悩んだり、立ち止まったり
振り返ったりしている人に向けて
やさしく諭してくれる本だ。
生きている間の大方は、悲しみやあきらめなどの連続で、
その合間に小さな希望や喜びが、ぽっぽっと灯るのだ。
だから 多くを望まず、ただ自分の歩調で歩み続ける。
重ねられた 複雑でやわらかい色の絵が 胸に染みてくる。
「そう喜びや悲しみ 浮き浮きした気持ちや 寂しい気持ち
怒りやあきらめ みんな入った ユトリロの白
世の中の濁りも美しさもはかなさも」
ペンキの色が心を癒す。
ペンキ職人のしんやは、お客の望む色にペンキをぬることができませんでした。それで、やっぱりペンキ職人でフランスへ行ってなくなった父さんの墓を訪ねて船に乗りました・・・。 ペンキをぬることが人の心を癒す。そんなペンキ職人のしんやの一生が、淡々と語られます。絵本であることのすばらしさが絵の中にあります。ペンキの色の中にさまざまな人生がこめられているのです。
5年後にまた読みたい絵本。
静かな時間が流れる、少し大人向けかなと思われる絵本。
印象的な色彩と不思議な静けさが絶妙にマッチした一冊。年を追うごとに味わう切なさ、喜びや悲しみや不条理さ。
いろんな思いを抱き、みんなそれぞれの色を重ねていくのだろう。
全体の描写はとても淡々としているけれど、
深く人生に思いをはせてしまう。
お年寄りのおだやかだけど、深く悲しみをたたえた眼のような、
そんな印象を受けました。
5年後、10年後にまた読んでみたい。
そのとき私はどんな色を描いているのだろう。