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過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) (アスキー新書 42)

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過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) (アスキー新書 42)の商品レビュー

4.0 「ロードマップの不思議」ではなかった
なんでロードマップは、当初無理目に見えても実現されていくのだろう?という疑問から読んだのですが、そういうことに触れた本ではなかったのですね。

それはともかく、ムーアの法則に沿った技術の進歩が半導体製造の外側に及ぼしている影響の広範さに驚きました。著者に改めて指摘されるまで全く考えが至っておりませんでした。
本書中の一部についてを挙げれば、現在のプライバシーや著作権の扱いに対する過激に見える意見にも同意ですが、CELLを失敗としているところは結論を急ぎすぎていると思います。著者も指摘している通り、ハードに比しソフト開発の進歩は非常に遅く、CELL自身が立ち上がるにはまだ早すぎるのかもしれませんが、グリッドコンピューティングが立ち上がるときにCELLが生きながらえていたら大化けするかもしれません。

面白かったのですが、「ムーアの法則」って法則ではなく予測なのに、なぜロードマップ化されるとそれを上回る速度で技術が進歩するのか、を知りたかった勘違いな私の満たされない思いをひとつ減点に込めます。
4.0 日本の情報産業は臨機応変な対応をすべき
結論を先に書くとITの進化によって何が本命かわからない場合、
いろんなものに投資してステージ毎に成果を見てうまくいっていない
プロジェクトを捨て、結果としてうまくいったものを成功と見なすしかない
という著者の主旨です。

何故ならば情報インフラはコモディティ化するからです。
つまりボトルネックだった部分が代替品と代替可能になるから。
本書ではこのボトルネックにマイクロソフトのOSからサーバー、日本の
電波周波数の割り当て方式など実に様々な事例を挙げて説明しています。
ちょっとしたITの歴史を振り返るのに良いでしょう。

そして著者としては官僚主導、政府と民間企業とタッグを組んでの
ITインフラ整備を強く批判しています。
理由は
1.臨機応変な対応が取れない
2.一度法制化するとそこから新たな情報インフラのコモディティ化が
 進むと法制化した案をさらに軌道修正している内に諸外国のIT企業に
 先を越される
 という考え方です。

日本の家電企業は素晴らしい技術を持ちながら、法律の規制に自由を奪われて、
さらにノキアのような1つに特化した企業にならずに総合的企業のまま
停滞していて、世界の進歩に取り残されているという主旨を述べています。

1.0 そんなにすごい内容ですか?
基本的に独自の新しい研究成果や知見はない。近時、経営学の分野で進んでいる議論の受け売りでしかない。あとは著者独自のイデオロギーが、ルサンチマンとともに「はき出されている」だけ。議論の中に経済厚生への目配りがないので、目下の日本の経済状況の議論については、全く役立たず。
4.0 良書
こういうものを破壊的イノベーションと呼ぶのだ、ということがわかります。

軽薄短小の新書があふれているなかで、オススメの一冊です。
4.0 情報通信革命は何処に向かっているのか…

 初めに、当書を読み通していくつか気になる箇所が見受けられた。一例としてはこの一節で、少々、引用が長く恐縮だけれども、それは「情報」の希少性と処理との関連で、「たとえば民間の保険会社がなかった時代には、政府が保険料を集めて年金を支給するシステムが必要だったかもしれないが、今ではそんな必要はない。個人が自分で貯蓄すれば十分だし、無年金者を防ぐには民間の年金に強制加入させればよい」(P.70)というものだ。

 勢いが余ったか、筆(キー?)が滑ったか、は定かではないけれど、まさにリバタリアンを自任する著者の面目躍如といったところか…。この所述に関して細述しないが、ただ、本書にも登場する田中明彦氏の「新しい中世」仮説における自由主義的民主制と市場経済を基調とする「国家」像は、「(略)国民の自由、安全、そして最低限の生活を保障することを目的とする存在でなければならない」(新しい中世)としていることを付記したい。

 さて、前置きが長くなりすぎたが、本書は、飛躍的な発展を続けている情報通信技術・産業の現在そして未来を、青木昌彦氏等が主唱する「経済システムの進化」という文脈なども踏まえて概説したものである。さらに、進化を止めない情報通信技術は、ある意味、「超システム」(多田富雄氏)に転化している、といって過言ではない。そこには当書の主調である「ムーアの法則」を始め、様々な法則と見地が見出され、その説明も概ね明暢だ。

 最後に、情報通信革命というものが「新しい産業革命」と定義付けられることに異論を挟みづらい。だが、たとえば著者は「インターネットは、近代社会の生み出した主権国家を溶解し、資本主義をグローバルに分散させ、人はサイバースペースで結ばれるようになる」(P.204)と結語的に述べつつ、他では「逆にサイバースペースも、現実にはリアルな世界の支えがなければ成立しない」(P.149)とも語っており、この両推論の“均衡点”も気になる。

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