邦名タイトルの失敗
「What Should I Do with My Life?(人生で何をすべきか)」が原題。
このタイトルとは全然意味が違うし、このタイトルに惹かれて読むと
失敗したと感じるかもしれない。さて、人生で何をすべきか?・・・内容は、それなりに深い。この本には
30~50代で、大きくキャリアチェンジした人、未だに何をやりたいか
分からない人、過去の栄光を引きずっている人、などなどいろんな事
例が出てくるが、みんな壁にぶち当たって、もがきながらも自分探し
をしている人達の話が中心である。何をもって成功であり失敗である
のかは、結局本人次第なのだと感じる。
アメリカの事例中心であるが、日本と違って、40代以降でも、努力次第
では大きなキャリアチェンジが可能であり、その点は国としての懐の広さ
を感じると共に、日本の労働環境の現状を嘆かざるを得ない。
普遍的な解答などあるはずがない
仕事イヤイヤ病でつらかった時,仕事メンタル系の本を書店に
探しに行ってこの本を見つけ購入した。この本はイヤイヤ病を
直すために心のキズを癒す本でもなければ,自己啓発転職を
ススメル本であるはずもなく,コンセプトが相当異なる本だ。「このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのか」
「自分は何をするために生まれてきたのか」「自分の幸せとは
なんなのか」その問いに本書は解答しない。そもそもそんな問
いに万人への普遍的な解答などあるはずもない。解答を見出す
のは自分自身である。本書はその問いに対して50人の人生の
有様を見せつけ,読者に対して「では自分はどうなのか」と考え
ることを促す,いや著者自身が考えた奇跡なのかもしれない。
少なくとも書名のような迷いを感じていない人生を送っている
人には1900円を払う価値も無い本であるかもしれない。が,
そうでないなら一読の価値ある本であると断言する。
1つだけ不満をいえば,本であるがための宿命でどうしても登場
人物がどこか華のある人物ばかりになってしまっている。
(しょうがない...でも50人のような人生を送ってるのは3%といないのでは?)
確かにこの手にあったものは、いつの間にか消えてしまっている
誰しもは職業を得るにあたり、絶望感を抱きつつ仕事に身を投じることなど考えないだろう。世の中は侭ならず、とは察していてもなお、希望に胸を膨らませて、仕事に打ち込む自分を想像しつつ、社会に入る。 しかし、「時間」とは残酷だ。この競争社会構造の単なる一要因と化している「時間」は、職業に就くにあたって確かに持っていたはずの無垢な前向きの衝動を、きれいさっぱり剥ぎ取る役目のみを担っている。
そんな「時間」の本性を知った時、我々はまた、自分の中にあったはずの聖なる何かが消え失せ、空っ風の吹きすさぶ廃墟に佇んでいることを自覚する。
本書はそんな廃墟を後にし、真の自らの居場所を探すための旅に出た人達の物語を、筆者の経験を交えながら、丁寧に描いた作品だ。
読後、ひょっとしたら何かが胸に甦るかもしれない。忘れていたあの衝動だ。おそらく、それが筆者の伝えようとする「この身からにじみ出るような」ものであり、またそれこそが、廃墟よりの旅立ちに唯一、必要なものだろう。