「人間風車」の真実
かつての国際プロ・新日本プロ・全日本プロ全てを
渡り歩いた大物外人レスラーの自伝です。「蛇の穴」という、名前と想像だけが独り歩きしていた感のある
英ビリーライレージムの実態が、本人体験談の元に詳しく描写されて
いるだけでも興味深いが、人間風車(ダブルアームスープレックス)
が通り名になっている筆者ではあるが、実はシュート試合(真剣勝負)
や暗黙の了解を越えた試合にこそ、その真価を発揮するレスラーで
あったという事を、今更ながら再確認出来る本です。
この業界、自称・他証を含めた様々な「真実」が罷り通っており、
特に個々のレスラーのシュートにおける実力というものに関しては
中々客観的な判断が難しいのが現実だが、それでも世界中を
渡り歩き、数々の非公式の潰し合い(もしくは真剣勝負)の経験の
ある、数少ない本物のランカシャースタイルを体得した彼ならではの
説得力が、色々な興味深いエピソードに真実味を持たせます。
もし読まれれば、思っていた以上に凄いレスラーだったんだ、と
感心すると共に、もし彼を含むあの時代の強いシュートレスラー達
と同レベルのプロレスラーが現在居てくれたら、「PRIDE」や
「K-1」にあそこまでデカイ顔させないのに、と言っても仕方が無い
事をどうしても考えてしまう事請け合いです。
又、彼の体験から見た各有名レスラー(猪木、ゴッチ他)の評価も
当然の事ながら書かれておりますので、プロレスファンは必読の書と
言って良いでしょう。(多分猪木ファンは喜ぶかも)