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”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

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”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)の商品レビュー

5.0 ゾゾ
このシリーズの最大の魅力は『ひっくり返る』所にある、と。そう思います。
一作目に続いてまたやってくれましたよ。
物語の断片、本作では特に、かなり序盤のうちから為されている表現があるのですが、
それが物語のある一点を迎えると同時に、
それまで思っていたものとは全く違う意味を持つようになるんです。

それはもう、仔猫を抱いてスリスリ撫で撫でしていたら、次の瞬間巨大ナメクジになってた!というようなトンでもない変貌を遂げるんですよ。トリハダものです。


しかし、イタズラに物語を転がしているわけではないんですよ。
本作ではこのような裏返しの展開を見せることによってのみ、登場人物の心を表現することができたのですよ。
他の作品には絶対にない、
他のシリーズでは絶対に見せられない、
他の作家の方には絶対に書けない、
他の方法では表現され得ない
そういう物語を、見せてくれます。

比喩が非常に巧みで美しい。
スピードをつけて流し読んでも語られている情景が正確に浮かんでくるから素晴らしい。
しかし滑らかな文体に「乗せられる」ように読み進んでいると、セリフ一発で心がヒヤリとなったり…読んでて全く退屈しません。



最後に、
これは『裏返し』の物語です。自分が思うに、シリーズの中でも一番その傾向が強い、物語そのものが、ある登場人物が完全に裏返る、大逆転の物語です。
3.0 今回は「嵐が丘」
井上心葉は、文芸部の一員である。文芸部長である天野遠子は、実は、食べ物の代わりに物語を食べる妖怪である。そんな彼女に、毎日せっせと「おやつ」の小説を書くのが心葉の日課である。遠子が、ラブレター目当てに置いた、文芸部の「恋の相談ポスト」に不思議な紙片が舞い込むようになり...

"文学少女"シリーズ二作目です。
今回は、「嵐が丘」をモチーフにしていますので、そちらを先に読めば、もっと面白いかもしれません。内容的には、かなり「どろどろの人間関係」の話です。私は、「嵐が丘」は読んではいないのですが、割と早くから展開が読めてしまいました。そして、「嵐が丘」ならOKだったかもしれない登場人物たちの設定も、正直、かなり無茶です。その辺はマイナスとして、相変わらずさわやかに熱く文学を語ってくれる彼女の薀蓄に耳を傾けていると、読んだ事のなかった名作に手を出してみようかな、という気になりました。次の作品も楽しみです。
4.0 “飢え渇く幽霊”に捧ぐ鎮魂歌
(文学少女〉シリーズ2作目。

今回、文学少女の前に現れるのは満たされることのない想いを
抱え、運命の袋小路に追い込まれる“飢え渇く幽霊”達です。


とにかく「どろどろ」。

一歩間違えば喜劇になりそうな、暗い情念の
交錯を描くメロドラマ的悲劇が展開されます。

読者としては遠子や心葉と同じく、嵐のように吹きすさぶ
人の愛憎の激しさに翻弄されるしかないのかもしれません。


さて、本巻では遠子が居候する家の息子・櫻井流人が初登場。

一見軟派で、特殊な恋愛観を持つ真正プレイボーイですが、
実は男気もある奴。しかし、それが裏目に出てしまい……。


レギュラーでは、学園理事長の孫・姫倉麻貴がいよいよ本領発揮。
今回は、かなり重要な役割を担います。

もう一人のレギュラー“ツンデレ少女”琴吹ななせは、……。
次巻以降、彼女が報われる話を期待します。
(いや、マジで)
5.0 意外に
面白かったので、オススメです。

シリーズ1作目と思い、この本を買いました。(これは2作目。ちっ)
知らない作家、且つティーンズ文庫というので二の足を踏んでいたんですが、
レビューが良かったので買ってみました。

魅力的なキャラクター(無茶設定ですが)、読みやすい文体、引き込まれる
ストーリー・・・西尾維新的です。戯言シリーズや化物語が好きなら、
一度、読んでみてください。
4.0 前回に続き満足のいく仕上がり
前回が純然たるミステリだったのに対して今回はその部分では少し弱い。暗号などが出てくるが、これはお遊びの範囲。しかし、話的には前回よりもさらに悲惨さがアップしていて、まったく違う話ながら「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を思い出してしまったくらいだった。
今回モチーフに使われているのは「嵐が丘」。いってみれば「嵐が丘」の世界は昼メロの世界だ。愛憎渦巻く相関関係とイギリス特有の荒涼としたヒースの景色が絶妙にマッチングした因縁絵巻なのだ。この一筋縄ではいかない作品を、いったいどういう風に料理しているのかと興味津々だったのだが、それは読んでみてのお楽しみということしておこうか。ぼく的には、なかなか健闘してるんじゃないかと思った。というか、こういう処理の仕方しか無理なんだろうね。相変わらず遠子先輩は文学を食べて、愛情あふれる文学の薀蓄を惚気ている。これは純粋に楽しい。読んでない作品について一発かまされたりすると、こちらとしてもその作品が気になって仕方なくなってしまう。本書のサイド面でのお楽しみということだ。心葉君の過去についてもまだ詳しいことまではわからないが、気をもたせる展開が予想される。気をもたせるといえば、心葉君とななせの関係も読者にしてみれば一目瞭然なのだが、心葉本人が気づいてないのだから仕方がない。この関係についてはおそらくこの先の展開で大きなカタルシスを与えてくれるのではないかと密かに期待している。
とりあえず、本書は及第ということにしておこう。はやく第三作読まなきゃ!

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