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僕たちの終末

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僕たちの終末の商品レビュー

5.0 最高でした
地球を襲う未曾有の異常現象を発端に地球を脱出する為に宇宙船を
建造する人達の物語。前半は複雑な技術考証の描写が多くてその類
の知識に疎い私はなんとなくでしか理解できない部分が多々ありま
したが、この物語は全体を通して人物描写の面においても実に魅力
的に描かれていると私は感じ、非常に満足できました。迫り来る危機
、重なり合う思惑、多元的な極限状態のなか彼らが織り成す人間ドラ
マは非常に共感できる場面が多々ありました。どの人物の主張も人間
らしさに溢れているので、登場人物みんなに愛着が持てました。物語
の主軸となる「究極の疑問」にもラストで作者なりの答えが提示され
ており、同じような疑問を少なからず持っていた私として何か心の中
のもやもやが晴れたような清々しさを感じました。機本伸司氏の作品
を読ませて頂いたのはこれが初めてなのですが、一気に彼のファンに
なりました。ありがとう、本当に最高でした。
2.0 たるい
小・中学生の頃に愛読した『ポンコツロボット太平記』とか
あのあたりの日常(オバQ的と呼んでもいいか)SFものを
科学考証と情報量の面でうんとグレードアップさせた感じを受けました。

そして、登場人物のウスさはそのまま。
恒星間宇宙船を建造する話なんだけど
なんかこうアニメのパトレイバーの面々でハードSFをちんたらやっている感じ。
(神崎重工?『サクラ大戦』かよ)

女性のひとりが知らぬ間に仲間とデキていて妊娠しているという逸話からして
『神様のパズル』の頃より進歩がない。
徹底して中学生男子の目線であります。

クラークの『遥かなる地球の歌』につらなるテーマなんだけど
いわゆる厨房臭さがぷんぷんするので頭が痛くなってしまいました。

それから表紙絵もなんとかしてください。
5.0 これを解く唯一の理屈は、これは理屈じゃないということです
 確かに人物造形や心理描写は前二作からあまり進歩が見られないような実にぬるいものだ。しかし、その粗造りさによって「終末」や「地球という揺り籠からの脱出」というテーマが描かれると、かけがえのない純粋さというようなものがそこには立ち現れるような気がする。「理屈に合っていない」ことだけれど。

 この小説の主人公は、「自分さがし」のために地球を出るのだ、と度々発言する。それが唯一の信念で、絶対的な自己正当化の手段であるのだと。だが、最も近い異性はその信念に終始対抗する。彼女の思想は地に生き、汗を流して働く人間のものである。恒星間宇宙船の建造からは思想的に遠く離れているようでいて、現実的に切り離せない種類のものだ。主人公は当然彼女の思想に反発し、耳を傾けようともしない。そんな彼がどのような結論に達するか。「自分さがし」の方法として、外を向くべきか内に向かうべきか。筆者なりの回答は物語の末に示され、僕はその答えを心から尊敬することができた。

 主人公が希望を守護するために機械を説得するラストシーン、彼の紡いだ言葉が忘れられない。
「エネルギーをすべて出し切ってしまえば、無になることなど何だというんだ。消滅する運命は変わらないとしても、ここに存在した意味は得られるはずだ。今をフルに作動していれば、何も残る必要はない」
 機械の製造主として放った言葉は、そのまま人間の創造主に対する叫びに変換される。世界の終末に生きる人間の物語として、ふさわしい幕切れではないかと僕は思う。
2.0 エンジニアリングSFを期待するとガッカリする
恒星間宇宙船を作る話だと聞いたので、『第六大陸』みたいなエンジニアリングSFかも(!)と期待してしまったわけだが、正直、期待はずれもいいところであった。

アイデアは悪くないと思う。絶滅を目前にした人類の地球脱出のためなら、工期や費用がちょっとくらい無茶な設定でも通るだろうし。ところが、実際に作るところはいっさい出てこないのである。前半は丸々、どんな宇宙船を作ろうかという思考実験だけ。ネジ一本締めない。で、ページをめくると、もう完成間近。設計だけで船ができると思ってるとしたら、作者はエンジニアリングをなめすぎだ。おかげでリアリティは完全に失われた。

キャラクタの造形もお粗末。特に女性の描写が、なんというか、実に童貞臭い。あまりに類型的なので、思い浮かんだのはギャルゲーの設定資料だった。主要な3人の女性の設定はたぶん「ツンデレ」「ロリ」「お姉さま」といったところ。あちこちに女性差別っぽい描写も多く、女性の扱いに慣れていない感じだ。

主人公も、技術力もカリスマ性もなく、あるのは夢と熱意だけという設定なのに、ちっともその「熱」が伝わってこない。他にも、明日にも人類絶滅かという時代なのに、登場人物たちには緊迫感も悲壮感もないし、ロボットみたいで人間らしい息遣いが皆無。どうにも描写力が足らないのである。これでは感情移入のしようもない。

4.0 とてつもないビッグスケール!
絶対こんな物作れっこない!というような物ばかり創造してきた機本伸司さん。
今回の“宇宙船”も、本当に造れるのか?と、最後までハラハラワクワクしどうしでした。
技術面、経済面、政治面等々、当然のように問題は山積み。次々に降りかかる難題をクリアしていく登場人物達を見ていると、実際に宇宙船を造り、恒星間飛行をするのは可能なのかも?と思ってしまいました。そのくらいシビアでリアルなSFが書けるのは、理系作家の機本さんならでは。
“宇宙船”だけではなく、前作の“宇宙”と“救世主”の創造も必見です。

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