アズマさんちのニューヒーロー
ススキノの便利屋「俺」のシリーズとは別に、東氏の生み出した探偵畝原。舞台はススキノではなく札幌近郊、一人称も「私」で語られ、文章は抑制が効いています。 本作は文庫で600ページ強のボリュームですが、一気に読ませてくれる改作です。プロットも無理なく、最後のほうで「あ」っとさせてもくれます。
東作品の魅力は、読みやすい文章と親しみやすいキャラクターを登場させながら、人間の奥底に潜む、どす黒い渦みたいなものを逃げずに描写するところだと思います。本作は緻密なプロットと情景描写でそのことに見事に成功しています。
読みやすい文章ですが、そこに激しい推敲の後がしのばれ、非常に質の高いものに触れた満足感が残りました。北海道からこのような小説が出たことを誇らしく思います。アズマさん、がんばれ!