タイムマシンがなくても、昔の京へ連れていってくれます
子供の頃、H.G.ウェルズの『タイムマシン』を読んで、自由に未来へも過去へもいける装置が早く発明されないかな、と期待したものですが、どうもムリみたいですね。
「ドラえもん」に頼まないとダメでしょうか。この『幕末・維新 彩色の京都』は、そんなタイムマシンがなくても、百数十年前の京都へ連れていってくれます。
金閣寺、清水寺、北野天満宮、お花見、祇園祭、葵祭など京都・近江を舞台にした彩色写真(当時撮影したモノクロ写真に画家が着色したもの)が掲載されています。解説が詳しくて、京都に住み続けている私にとっても、大変参考になりました。
京都は、「蛤御門の変(禁門の変)」の「とんど焼」と呼ばれる大火事で、沢山の寺院や家屋が焼失したのですが、先の戦災においては、ほとんど空襲にもあわなかったので、現在でも100年前と同じ建物に出会えるのは素晴らしいことです。
現代の京都を知るものにとって、珍しくまた、懐かしい風景にタイムスリップする喜びはどのページからも得られました。写真家は外国人だと推察されます。外国人から見た「東洋の神秘 日本」のイメージ通りの写真が続きますが、現代人にとっても「エトランゼ(異邦人)」の気分で眺められるように思います。
写真に登場されているモデルの人達が全て、もうこの世におられないと思うと少し怖くなりましたが・・・・。