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理不尽さ、不条理、不満、圧迫、欲望、絶望、死。 どうしようもない残酷な世界で生きて、そして死んでいく人々のおとぎ話。 最後にはなにもない。 ただ選択するという自由が残されているだけ。 『生きる』ことが『選ぶ』という言葉と同義だとしたら、 老いたじぶんは一体いつの私にブリキの箱を渡すだろうか。 私はまだ寝たふりをしたまんまだ。
好みにより賛否両論あるコミック。 コミックは楽しくとか、前向きにストレートな生き方とか、信念と正義が好きといった人にはお薦めしない。 多分、途中で読むのが嫌になったり作品に嫌悪感を覚えることだろう。 人生に哲学とか、神や運命とか、複雑怪奇な話が好きな人へはお薦め。 本作は浅野氏の内世界ともいえる内容。 彼の作品にはこのような作風が多いですが、神や精神力に及ぶとあまりに主観的過ぎるきらいが…。 世の中には「もっと単純に元気に生きている」人もたくさんいますが、本書の世界ではすべての人が陰鬱とした悩みの 中でダークに生きている。 登場人物達のストーリーは映画でいうグランドホテル形式で進行していきますが、すべての登場人物が浅野氏である ような気が。(まあ作者ですから…) 小学生が大人のような考え方をしたり、大人のように話したりすることにも違和感を覚えるし、 中高年が若者のような行動をとることにも疑問が…。 老若男女、この世界せべてが浅野氏の内世界であると捉えれば納得できる。 絵柄は好きですが、 他人の内面をみるのは好きではないので、太宰治の「人間失格」が超苦手だったように本作も苦手。 個人的好みも入って星3です。
クイックジャパンで何回か読んだことがあって,全話読みたくなって購入。絵は好き。 岡崎京子は全体的に白い感じのタッチかと思うのですが,この人は黒い感じ。何となく共感。
構成がややこしい上、一番混乱を招いた“ひより”=“有江”が 実は誤植ですっていうオチにはヤラれました。 ある事ない事、懸命に推測したのに、誤植とは酷いです太田出版さん。 井戸に転落後の小松崎が、蝶(母・木村)宿りバージョンと 通常バージョンの2通りに分裂してるようで、その辺りの表現が 特に後半になるにつれ複雑化してゆき正直よくわからない。 やたら構成複雑で思わせぶらせるミステリー調の部分よりも アマヒコが父・鈴木のDV資質(性癖?)を自分も継承しているのではと 葛藤する場面がストレートに響いて良いです。 それら全て踏まえ、しかし物語内容以前に、これだけ分かり辛い にも関わらず読み進めさせる魅力を保つ美麗画面には、とにかく舌を巻く。
浅野作品はかなり読者を選びますね。この作品を読んだ最初の印象は、作者のオナニスト的なモノかと思いました。不可解な謎に溢れた負のイマジネーションの宝庫のよう。ですが、読み込む程に絡まった糸がほどけパンドラの箱の最後に残った'希望'のような光が残りました。これほどの漫画はなかなか出会えないかと思います。興味をもった方は是非、闇に足を踏み入れる覚悟で読んでみて下さい。ただ、娘にエレクトする父親は本当に吐き気がします。