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ケルト人がヨーロッパ全土に広がっていく過程で,東に向かった者たちもいた.その足取りを辿るかのように,著者夫妻はチェコ,スロヴァキア,ハンガリー,セルビア・モンテネグロ,ルーマニア,ブルガリア,ギリシア,トルコと1ヶ月以上に渡って旅した紀行である.最終的に,トルコに建国された古代ケルト人の唯一の国家であるガラティア国の跡にまで到達する. 南からのローマによる攻略を避けつつ,東へ東へと移動していったその痕跡は,どこでもあまり残ってはいない.ローマやトルコ帝国など,その後に治めた者たちの痕のほうが強烈であり,またケルトの残り香を消していったかのようにも思える. 組織だった統治があったわけでもなく,粗野とも言えるケルトの人々は,ローマのような戦略も,ギリシアの人々のような美の感覚も持ち合わせていなかったが,素朴さの中に力強さを秘めていた.著者もそこに惹かれて旅を続けているのだろう. この紀行は,ケルトを追うとともに,冷戦後の東ヨーロッパの各国の様子も描き出している.日本人にとって東ヨーロッパの国々は馴染みが薄く,民族の違いを理解していないが,その違いや歴史も知ることができた.