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災害や個人情報漏洩、犯罪や医療事故…個人を考えても、現代人は多くのリスクを抱えて生活しています。勿論、これらのリスク自体は心理学的事象ではありませんが、リスクに関する私達の態度や意思決定には、どうしてもリスクに対するイメージや認知が影響してきます。 例えば、人は一般に「恐ろしさ」「未知性」の高いものに強くリスクを認知する傾向があり、この2因子が高い時、統計上の数値以上に不安を感じますが、逆に自動車のように実際には事故が多発していてもこの2因子が低いリスクには、不安より利便性を強く感じます。 リスクを伴う科学技術が社会に受け入れられるのか?行政はどのリスクに優先的に規制をかけたり対策すべきか? …等々を考えるときにリスク心理学が重要になってきます。「リスク社会」と呼ばれる現代を生きる私達には広く参考になる著だと思います。 リスクに対するイメージはどんな要素で構成されているか、認知にかかるバイアスについて、緊急時に人は本当にパニックを起こすのか?、人々のリスク認知にマスコミが及ぼす影響、といった身近で入りやすい話題が中心に取り上げられています。また、経済学の一環であり、主に投資やギャンブル等の金融分野における人々の確率的認知の非合理性を指摘する「プロスペクト理論」も紹介されています。 ちなみに、著者はアメリカのリスク心理学の第一人者Paul Slovic博士に師事・共同研究をなさった経歴の持ち主のためか、本書でもSlovic博士の統計調査が各部で引用されており、全体的にSlovic氏の理論をかみくだいて説明している印象を受けます。