認知療法の専門家だけでなく、患者さんにもお薦めです
この本は、認知療法をおこなうセラピスト向けに書かれた本です。
しかし、うつ病(ただの患者)の私が読んでも、とても参考になりました。 と、いうのは、治療者も患者も実は自分自身の中にいるのですから。認知療法は必ずしも、○○心理士と名の付く治療者におこなってもらうだけではなく、自力でもできるのです。
この本を読み、理解することで、患者である私の(アタマの)中に「治療者を養成する」ことができました。
このことは、うつ病で苦しむ人にとっては大きな意味を持ちます。 軽い抑うつ状態は別としても、うつ病に罹ってしまった人は、薬物療法の力を借りますが、薬で感情を変えることはできても、考え方を薬で変えることはできません。 うつ病は必ず治ると信じることと、自分で治す努力も必要です。
そんな意味で、この本は有益です。 バーンズ氏の「いやな気分よ、さようなら」と併せて読むと、更に効果的です。
最高水準
医療だけでなく,教育・産業などの分野に普及が期待される認知療法の実践ガイドです. 著者・訳者共にこの心理療法に精通している方で,論理的で素晴らしい内容です.本書の特徴はなんといっても,著者と患者サリーの実際のやり取りの詳細でしょう.そのため,説明文に難解な部分があっても,会話のやり取りで理解できる部分も多くあります(あくまで私の理解力不足ですが・・).
認知療法はいかに自動思考から中核信念を導き出し,それらを修正していくかに大きく依拠しますが,そういった重点部を細かく詳細に記述してあり,最初は曖昧でも読み進んでいくうちに,しっかりとした認知療法的な概念が生まれます.さらにユーザーのことを考えた紙面構成で各章の最後のまとめなど,著者・訳者の配慮を感じます.
認知療法が生まれた理論やバックグラウンドには触れていないため,おそらく実践向けでしょうが,会話のやり取りが多いため,初心者・入門者でも十分理解できる内容です(余談ですが理論や背景を学ぶには「認知臨床心理学入門」がお勧めです)
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