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果てなき渇望―ボディビルに憑かれた人々

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果てなき渇望―ボディビルに憑かれた人々の商品レビュー

5.0 とにかく筋肉!
ボディビルについての本初めて読んだけどすごかった・・・

ボディビルがこれだけきつくて追い込む競技だということを一般の人はあまり知らないと思う。自分もこの本知らないことばかりでした。

300超の筋肉を鍛え上げるには10年から15年かかるって・・長っ!
ある女子ビルダーは王者になるには黄色で車を止めるんじゃんなく赤でも突っ込むくらいの気持ちをもって追い込まなければならないという。

そしてこの本のメインはやっぱりステロイド使用のビルダーたちの話。
ちょっと強引な部分もあるけどステロイダーたちの「理」もわからなくはないなと思った。
筋肉への想いがふりきれてしまったらここまでいくんだろうなと思わされてしまうこの人たちの言葉は重い。
曰く「ひたすら大きくなりたい。
天から与えられた身体を意志の力で変えていく。1センチ肥大すると違う世界が開ける。たと後遺症があっても、どんな手を使っても限りなく肥大した筋肉を手に入れたい!」
「副作用を怖がるのは生命を賭けあらゆる非難と偏見にまみれても肉体を鍛える覚悟がないからだ。そんな者たちの冷視など怖くもなんともない」

すごいな・・・

けどトレーニングしている人ならここまで極端じゃなくともこういう気持ちもあるんだろうなと思った。

ぜひ紹介されたビルダーたちのその後も続編として出して欲しいです。
5.0 ボディービルダーへの深い共感が感じられる傑作ノンフィクション
ムキムキ
ナルシスト
気持ち悪い
フリークショー

日本ではボディビルダーという人種は常にこうした揶揄の対象になる。
アメリカでは筋肉質であることが日本よりはるかに評価される。ボディビルのメッカでもあるし、本書にもアメリカで競技することを夢見るボディービルダーが登場する。

皮肉なことに、本書で描かれているボディービルダー達からはアメリカ的なスポーツの明るさは感じられない。老若男女、プロ・アマを通じて様々なボディービルダーが登場するが、共通して描かれているのは、まるで修行僧のようなストイックな日常だ。

意外なことであるが、ボディビルは筋肉を肥大させるだけではなく、極限まで脂肪をカットする減量が大きなウエイトを占める。
「自分を追い込む」ための激しい筋力トレーニングは言うまでもなく、全ての食事は味ではなく筋肉への燃料摂取だけを目的に管理される。

だからボディビルダー達には普通の社会生活は望むべくもない。ある者は安定した職を投げ捨て、ある者は結婚をあきらめる。女性ビルダーの多くは生理が止まる。

そうまでして作り上げた肉体を披露する競技会においても、投げつけられる言葉は「ムキムキ」だ。これほど報われない競技は他にないだろう。

圧巻だったのは第3章、最終的に違法ステロイド摂取が発覚した、ある確信犯のビルダーの告白だ。

「自ら異形の道を選択をした者に退路はない」

これほど固い信念のもとに発せられた言葉を僕は知らない。
5.0 肉体の中心で魂は叫ぶ
全体としてもレベルの高い作品だが、第三章のドラッグビルダーの記録はまさに圧巻。並のホラー小説など鼻息でぶっ飛ばす臨場感と緊迫感が行間には満ちている。まるでビルダーの肉体を隙間なく埋め尽くした筋肉群のように。作者は「常識を飛び越えた過剰」の世界に足を踏み入れ、善悪やモラルを超越して生きる超人の姿を見事に描写し尽くす。これはボディビルの本などではない。ボディビルというマイナー競技におのれのレゾンデートル(存在意義)を賭けた人々の記録。そして、肉体、精神、そして魂という古代からの問いにトレーニングという原始的手段をもって挑戦した人々の物語である。
4.0 ボディビルに興味ある人には5、そうでない人にはもっと低い評価かも・・・
 私自身ウエイトトレーニングを20年程続けているので、文中の仮名の人物も特定できるし、警官殺しの岩間氏の話も、ジム内にてオンタイムで聞いた覚えがある。
 その程度の予備知識があるからこそかも知れぬが、トレーニングについて書かれた専門誌とは違った、選手の私生活・過酷な減量・ステロイドに至るまで興味深く読ませてもらった。
 ボディビルは、肉体原理主義とも言える、宗教ではなかろうかと思う。  仕事より家庭より己の肉体の成長こそが人生の最重要課題になってしまう心境が、一般の人には理解し難いであろう。
 自分自身、この世界の麓でいたので登場人物の気持ちに共感するものの、銭にもならぬ、究極の自己満足な体作りの世界を、本書を読んだ後もどれほどの人が理解できるだろうかと考えた。
5.0 徹底した取材による臨場感と真実性
本書の登場人物はすべて実在の人物です。
ほとんどは実名で書かれていますし、中盤に出てくる薬物使用者も、ちょっと業界を知っている人なら人物を特定できます。

トレーニングやコンテストだけでなく、私生活や登場人物の年収まで調べ上げる徹底した取材ぶり。誹謗・中傷・誤解の多いスポーツをテーマにしてあるだけに、最後まで興味深く読むことができました。

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