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ファストフードが世界を食いつくす

ファストフードが世界を食いつくす

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ファストフードが世界を食いつくすの解説

   アメリカにファーストフード産業が誕生した社会的背景から、この業界の成長にともなって大きく変化した社会や食品業界を、現役記者が入念な取材をもとに描き出した衝撃の書。

   なかでも驚かされるのは、アメリカの精肉加工現場の衛生観念と、ずさんな労働管理の実態だ。生産されるひき肉の47パーセントがサルモネラ菌を含んでいることが判明した工場、就業中の事故による椎間板損傷を「軽いケガ」ですまそうとする会社側。「サルモネラ菌は自然の生物であって、混和物ではない」という会社の主張が連邦裁判所で認められ、工場の閉鎖が1日で解除されるという事実からは、先進国とはほど遠い業界像とアメリカ政府の認識の甘さが浮かび上がる。

   ファーストフードはおろか、牛肉を口にすることさえためらわれるような生々しい事実の数々。対岸の火事とは思いながらも、お昼に食べるハンバーガーの中身を勘繰りたくなる。(望月真弓)

ファストフードが世界を食いつくすの商品レビュー

5.0 恐怖を感じる一冊です。
5点満点です。
恐怖を感じました。
とりわけ第9章,「肉の中身」 は恐ろしい。

ファストフード業界とその周辺について詳細に書かれています。
農家・食肉業者や香料開発会社、食肉加工工場、フランチャイズ経営者とその従業員(アルバイトたち)、そして消費者への影響などなど、非常にボリュームのある内容です。

本書を読みながら,10年前の狂牛病騒動の時の事を思い出しました。
アメリカは頑として肉牛の全頭検査を拒んだことや,全頭検査まで行うのはは非科学的だとコメントした識者がいましたが,アメリカの食肉業界が行ってきたことを知ると,そこには金銭の介在があったのではないかと疑わざるを得ません。

マクドナルドも吉牛も,もうさんざん食べてしまった方が多いと思いますが、そんな人こそ読んでほしい一冊です。
5.0 ハンバーガーが食べれなくなる
ホルモン剤を多量に投与された牛、便にまみれた肉、添加物により誤魔化された味と香り・・・これらが分かってしまうと、ファーストフードのバーガーが食べれなくなりました。

格安の値段の裏には、多くの材料を供給している人たちの苦しみがあることが分かり、結局食品業界のみならず、世界的な競争社会の行き着く究極形態がこれになるのだろうという諦めにも似た感心がありました。

最後に著者がこの流れを止めるには商品を買わないことと言っています。膨大な宣伝と格安値段の前には微々たる抵抗ですが、実際それしか抵抗方法はないと思えます。
5.0 明日も食べてしまうであろう自分が、ちょっと悲しい
僕はビッグ○○○も○○○ワッパー(with チーズ)も、同じように大好きだ。この本を出版時(初版、2001年8月14日)に買ったものの、“読んで食べる気がしなくなったら、やだな・・・”というしょうもない気持ちでずっと読めなかった。それにしても、ハンバーガー・フライドポテト・コーラを通して、これだけ幅広い問題意識を読者に持たせる内容とは思わなかった。著者の取材は広範囲かつ徹底したものだが、分析・筆致はとても冷静であり、それだけに事の重大さや悲惨さに何度もページをめくる手が止まった。何十年にも亘り形成された生産ピラミッドの実情とその社会的影響は、すさまじい。

たとえば食肉加工業界。単位利益の低さを生産量の増加でカバーする経営のため、(事実上使い捨ての)従業員の安全も食品の衛生管理も、恐ろしく軽視されてきた。会社に最後まで忠誠心を持ち続けたある社員の悲惨なエピソード、O-157をはじめとした危険な菌類が混入しうる製造工程の放置、などは一企業のガバナンス不在だけでは片づけられない、もっと大きく根深い問題でもある。”業界ピラミッド”の頂点に立つファーストフード企業のマーケティング戦略(例:「フレイバー」がいかに無意識のリピーターを作るか、学校給食)、州・連邦レベルでの業界のロビイング(例:共和か民主かによって天と地の差)、農業大国のアメリカでの一般畜農家の激減の理由、など驚くべき内容が満載です。

皮肉なことに本書を読むと、“結論としてはアメリカでは大手ファストフードチェーンのハンバーガーは、今では比較的安全?、取材から10年も経ってるし・・・”と思えてしまう。ましてや日本では? 
彼らのマーケティング戦略に囚われたままの僕は、ハンバーガーを食べる手が一瞬止まっても、これからも食べてしまうでしょう。ただし、関連する新聞記事を探しながら・・・。
5.0 食の安全を叫ぶなら、これを読んでからにして!
読み進めるうちに気持ち悪くて何度も吐きそうになった。
ファストフードを食べると、必ず嘔吐下痢を繰り返す自分の体質がおかしいのでないかと思っていたが、この本を読んで、どうして今まで体調を崩していたのかわかったように思う。

マクドナルド用に飼育されるチキン、かごの中で異様に胸肉だけ大きく自分の足で立てない鶏。こんなものを食べて、病気にならないわけがない。O-157にまみれたミンチ肉、血まみれ、腸からの汚物をかぶりながらの食肉加工工場。安くて早くておいしいファストフードを「バリュー」と呼べる裏側にある真実が、あからさまに描かれている貴重な本だと思う。

この本を読んで半年あまりが過ぎたが、ファストフードを断ち、菜食・魚介類食に転向した。体調はすこぶる良く、肉を食べたいと思うことすらなくなった。食肉加工のシーンが頭によみがえり、肉売り場からは自然と足が遠のき、フライドポテトに使われる、中毒化させる味付けと化学調味料を考えると、誘惑されるあのいいにおいに対しても、怖くて手を出すことができなくなった。

食の安全が叫ばれる今こそ、この本を読んでほしい。産地偽装や、使いまわし、毒餃子より、数百倍もこちらのほうが怖いはずだ。
4.0 自分で食えないモノを人に食わすな
アメリカ的世界均質産業=グローバリズムの象徴、ファーストフード業界の闇を暴いた本書はその内容のあまりのエグさにかなりの反響があったらしい。不法労働者を最低賃金で雇用し、人の口に入る食物に関して安全対策を極力怠る?という手法でひたすら利益のみを追及する。面白いのは、その人間性を無視した画一的なシステムが、アメリカ人(とくに共和党)が最も嫌う共産主義体制に酷似しているという点だ。

糞もミソも一緒の劣悪な環境の食肉工場から出荷される細菌まみれの食肉を食わされる消費者にとってはたまったものではない。自分で食えないモノを人に食わすなと言いたいところだが、共和党に多額の献金をしている大企業にとって都合の悪い法律が民主党から出されると、すぐさまその共和党政府によってつぶされるというおかしな状況がずっと続いているのがアメリカの現況なのだ。自由競争を金科玉条のように唱えるグローバリズム産業の台頭によって、O−157やサルモネラ菌によって汚染された食肉を食わされ、劣悪な職場環境でコキ使われるのが、結局我々消費者(特に低所得者層)であることがこの本を読むととてもよくわかる。

クラシックやオペラなどと同様に本来は<文化>であるべき食物に、製造業と同じ原理を持ち込む自体そもそも間違っているような気がする。ファーストフードに代表される大量生産システムが、未来につなげるべき資産や資源を猛スピードでただ食いつぶしているだけだということを、アメリカ人やアメリカのマネをして見せかけの競争に奔走している日本人たちもそろそろ気づかなければならない段階にきている。

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