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からくり民主主義

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からくり民主主義の商品レビュー

4.0 村上春樹が解説を書いています。
周到な準備をしてから取材に出かける

筆者が現場に着くときには、

すでにそのニュースが世間から

忘れられている時だという。

このように出遅れたからこそ

見えてくる、テレビなどでは報じられない

現場の実態。

巨大化したマスコミから一歩身を引いて

世の中を見るための、きっかけの書になりそうです。
4.0 ノスタルジックではあるが、良質の読み物だと思う
 著者は善/悪、強者/弱者、賛成/反対といった分かりやすい対立図式にひたすらツッコミを入れる。正反逆転させるのではなく、構図の抽象性を浮き彫りにし、空中分解させる。要するに、表象批判。解説で村上春樹が著者の「ユーモア」に言及しているが(p277)、表象批判は必然的にユーモラスなものだ。
 ところで著者自身かつてTV界に身をおき、TV番組へのクレームを扱った「国民の声」が序章に置かれている点から、著者はTV的表象を特に重視しているように思える。実際、本書の文章のほとんどがTV的表象にかかわる主題を扱っている。
 その意味で、本書を「80年代的」と形容したくなる。TVが世界表象の主導権を握り、民主主義を演出しようとした80年代は、著者の青春時代でもある。
 ただし太田省一の80年代論『社会は笑う』が描き出したTV視聴者たちが自室にこもり、ブラウン管に向かって孤独なツッコミを入れていたのに対し、本書の著者はTV画面の向こう側(現場)からTV的表象を解体しようとしている。その気力と誠実さは貴重だと思う。
 しかし他方、TVの時代は終わりつつあるのではないか。ならば、「からくり」も変わるだろう。本書の言葉は「現在」を把捉できるのか?
 ただし読み物としては概ね面白かった。特に富士山樹海での自殺者を扱った「ぶら下がり天国」は傑作。車椅子バスケの裏話も興味深かった。反対に「小さな親切」運動を笑いものにする第1章は「大きなお世話」だと思ったし、ノック知事セクハラ事件を扱った「アホの効用」は何か気の利いたことを言おうとして失敗した文章だと思った。
5.0 こいつは驚いた!
この著作は養老孟司さんが、本の中で言及されていたので読みました。
養老さんはいくつかの本の中で、このなかの「ぶらさがり天国」という章の内容に言及しています。
こぶら下がり天国はこの中で特に面白かったし、印象的でした。
ちなみにこの本の解説は村上春樹さん。

マスコミで報道される主張の主語って民意だったり、被害者達だったりで曖昧なんですよね。
現場に言ってみると実は全然違う、この本はそんなリアルな地元住民一人一人が主語となった意見を集めた本です。
沖縄の米軍基地の章なんて驚きましたねぇ、やっぱりねぇ、とも思ったけど。
4.0 現場と伝達されるイメージのギャップに驚きの連続
日本国内を見渡すと、いろんなところで「賛成」と「反対」が衝突している。あるいは、こう言い換えられる。メディアを通して賛否両論があることを知る。本書はそういう渦中にある「現場」を実際に訪れた筆者が見たもの、感じたことを赤裸々に綴った会心の一発ルポだ。読者は筆者と同じように困惑を感じることだろう。沖縄の基地がある町、福井県の原発銀座、世界遺産に指定された「ふるさと」、オウムのサティアンがあった村・・・などで生活を営んでいる人たちの本音を目の当たりにすると、賛否とは異なった次元のモノが見えてくる。複雑に絡み合った毛糸玉のようなもので、一筋縄ではいかない。それをドラマチックに、さも噛み砕いたかのように情報を発信するのがメディアの「からくり」なのだ。もっと大局的に言えば、日本という国の「からくり」が見えてくる。
4.0 ブラックユーモアの書
富士山・青木ヶ原樹海の自殺者についての章が、おもしろかった。というと不謹慎な言い方になりますが。しかし一種のユーモアが漂う文章であったのは事実です。

時事問題や社会問題として、重大なことがらで、あればあるほど、その問題を総合的にとらえるためには、一種の冷静さというか、距離感をとることが必要になってきます。この本の著者が保持していた距離感が、適切であったかどうかは、私には速断できません。が、おおむね適切だったのでは、ないでしょうか。

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