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日本人はなぜいつも「申し訳ない」と思うのか

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日本人はなぜいつも「申し訳ない」と思うのかの商品レビュー

5.0 日本人がなくしてはならない大切なもの
題名から予想していた内容と違ってました。
「日本人はすぐ申し訳ないと思ってしまう。これは問題だ。そんな思いを抱かず、己や敵に負けず、強く生きていくためにはどうしたらよいか」
そんな内容を予想していました。が、まったく正反対の内容でした。
何事にもすぐに申し訳ないと思ってしまう日本人の心性が、いかにすばらしい効用をもたらすか、という論点で、本書の内容は展開していきます。日本の治安のよさ、日本人のストレスの溜まりにくさ等数々の美点は、「申し訳ない」と思う心がもたらすのだと。
読了後数日経ちますが、こころにしみこんでくるようです。日本人としてなくしてはならない、大切なものを教えられたような気がします。
お勧めです。
4.0 本当は謝っていない、日本人の「申し訳ない」
本書では随所で日本の治安の良さを、日本人の罪の意識に起因して結び付けている。そのような具体的な論点では賛否両論があるかも知れないが、日本人の「申し訳ない」を古今東西の民話から忠臣蔵まで引用して、本質的な考察を繰り返している点で、本書の奥は深い。

また冒頭から、日本の文化がベネディクトのいう「恥の文化」か「罪の文化」かの検証がなされている。日本人にとっての「申し訳ない」の基準は、社会の目にどう映るかだから、そういう意味では恥の文化だ。罪を神との契約違反と考える欧米とは、やはり違うということであろう。

まぁ、その論戦には参加しなくても、日本人はいつも「申し訳ない」と思うという点については、確かにそうだ。責任を感じていなくてもすぐ謝る。電車が5分遅れても「心よりお詫びいたします」と、車内放送される。ただ、これらの「申し訳ございません」はあえて大きな波風をたてないためのツールであるだけで、言っているほうは実は決して謝罪はしていない。その一方で、「申し訳ない」と言われたほうは、相手が謝って当然と思っているという構図だ。これは一般的感覚だろう。だから日本では、皆すぐに「申し訳ない」と思う割には、あらゆることについて責任の所在がはっきりしない。そしてその無責任文化が逆に独特の安定感を生み出しているのではないであろうか。

近年ではしかし、これも機能しなくなってきている。日本でも最近は近視眼的に結果を求められるから、何か上手くいかなかったときにすぐに原因を追求したがる。そうするとますます「申し訳ない」と思う度合いが高まっていき、どこかで文化的安定感のバランスが崩れていってしまうのかもしれない。
4.0 そう思ったあなたにお勧め
すぐ謝る日本人、絶対に謝らない欧米人、
この両者の違いを、文化や民話等を挙げて論じた本。

この本は大戦以前にルース・ベネディクトの「菊と刀」によって「日本人は恥の文化だ」と主張されたことに対しての、反証的な内容が多く見られます。

「菊と刀」はベネディクトの「日本人とはこうだ」という主張は日本人から見ると所々「?」が付く内容なんですが、欧米人から見る日本人&欧米人には理解できない日本文化、という事を考えるに当たっては多くの示唆を含む本だと思いました。

この本でもベネディクトの主張を例に取りながら「実際はどうなのだろう」ということを欧米・日本の実例や民話、都市伝説等を挙げて検証しています。
前半は「民話に見る罪の意識の違い」や「裁くのは神か自分か」といった犯罪を犯す動機や、それを裁く理念等を挙げて欧米・日本の「罪の意識」についての考え方の差を論じています。

後半は「忠臣蔵に込められた日本人の価値観」や「欧米人はなぜ忠臣蔵を理解できないか」など、法や社会的倫理観・ルールについて触れ、「日本人の遵奉意識はどこからくるのか」について論じています。

それぞれ挙げられる民話などの挙げ方やそれらの比較方法など、搦め手で論ぜられるその内容が面白かったです。

「欧米人はまず個人があって社会があると考える。日本人はまず社会があって個人があると考える」「欧米人は世界を『善と悪との戦場』と見ている」「欧米人には喧嘩両成敗は理解できない」といった指摘には「なるほどなー」と思いました。

日本人なら「普通すぎて」意識していない「倫理観」「自責の理念」「安全」等がキリスト教文化・欧米文化からはいかに変わったこととして取られるか、が実感できて「なぜ欧米人はあんなにとんがっているのか?」というぼんやりとした日本人的疑問に答えてくれる一冊。「あるある」と納得しながらどんどん読み進められます。

ベネディクトの「菊と刀」に反論するかたちもあってか、日本礼賛の気が少々強い気もしますが、事実日本が誇れることも含まれていると思います。
「日本人はなぜいつも『申し訳ない』と思うのか」と一度でも考えたことのある方にはお勧め。

2.0 犯罪抑止力だけなのか
日本が実は罪の文化であることがわかったが、それが日本の治安の良さに多大に貢献しており、だから日本は優れているのだという論調はどうしたものだろう。社会に犯罪が少ないことや安全であることが至上であるというのが前提になりすぎている。個人の幸せとは別問題だと思うのですが。そもそも、その自責の念が自虐的で自信を持てない国民性を作り出している原因ではないだろうか。そこまで論を発展させないのは日本人が優れていると言うことだけをクローズアップさせたい著者の意図の現れではないかと思えてくるのは私だけだろうか。
4.0 日本人はまだまだ捨てたもんじゃない
最近の新聞報道などを見ると若年層の犯罪など、自分中心の人達が増えてきているという話ばかりで日本人の根っこにある良さを正面から捉えようとしている論調はなかなか見あたらない。この本では民話を通じて目にする事ができる日本人が元来持っているアイデンティティの素晴しさを分かり易く論じている。絶対的な存在である神を信仰するキリスト教が中心にある欧米との比較も非常に分かり易く、日本の行く末を悲観する前にまずはその素晴しさを再認識すべきだと思う。

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