そう思ったあなたにお勧め
すぐ謝る日本人、絶対に謝らない欧米人、
この両者の違いを、文化や民話等を挙げて論じた本。この本は大戦以前にルース・ベネディクトの「菊と刀」によって「日本人は恥の文化だ」と主張されたことに対しての、反証的な内容が多く見られます。
「菊と刀」はベネディクトの「日本人とはこうだ」という主張は日本人から見ると所々「?」が付く内容なんですが、欧米人から見る日本人&欧米人には理解できない日本文化、という事を考えるに当たっては多くの示唆を含む本だと思いました。
この本でもベネディクトの主張を例に取りながら「実際はどうなのだろう」ということを欧米・日本の実例や民話、都市伝説等を挙げて検証しています。
前半は「民話に見る罪の意識の違い」や「裁くのは神か自分か」といった犯罪を犯す動機や、それを裁く理念等を挙げて欧米・日本の「罪の意識」についての考え方の差を論じています。
後半は「忠臣蔵に込められた日本人の価値観」や「欧米人はなぜ忠臣蔵を理解できないか」など、法や社会的倫理観・ルールについて触れ、「日本人の遵奉意識はどこからくるのか」について論じています。
それぞれ挙げられる民話などの挙げ方やそれらの比較方法など、搦め手で論ぜられるその内容が面白かったです。
「欧米人はまず個人があって社会があると考える。日本人はまず社会があって個人があると考える」「欧米人は世界を『善と悪との戦場』と見ている」「欧米人には喧嘩両成敗は理解できない」といった指摘には「なるほどなー」と思いました。
日本人なら「普通すぎて」意識していない「倫理観」「自責の理念」「安全」等がキリスト教文化・欧米文化からはいかに変わったこととして取られるか、が実感できて「なぜ欧米人はあんなにとんがっているのか?」というぼんやりとした日本人的疑問に答えてくれる一冊。「あるある」と納得しながらどんどん読み進められます。
ベネディクトの「菊と刀」に反論するかたちもあってか、日本礼賛の気が少々強い気もしますが、事実日本が誇れることも含まれていると思います。
「日本人はなぜいつも『申し訳ない』と思うのか」と一度でも考えたことのある方にはお勧め。