衝撃のノンフィクション
世界的ベストセラーになった『ファストフードが世界を食いつくす』の著者が、
今や70兆円にまで膨らんだ米国の地下経済の実態に迫ったのが本書。ポルノ市場や不法移民など、私たちが普段耳にすることのない、
アメリカ経済の闇の部分が実に生々しく描かれています。
筆者は、自由主義の原則が、政府によって「恣意的に」適用される
ことが、結果として地下経済を大きくする考えています。
道徳的に間違っているという理由だけで厳しく取り締まわれたため、
巨大な闇市場ができてしまったマリファナ。
不法移民による、巨大な闇の労働市場なくしてはもはや成立しない
カリフォルニア州の農業などなど、その実態はきわめて酷い。
自由主義という理想が、一部の企業の方便として使われたために
こうした悲劇が起きたと筆者は論じています。
自由主義という美名の下に行われている不正義を告発した本書。
市場万能主義が抱える矛盾について考えさせられる一冊です。
何をいまさら
これは「経済」書と呼ぶにはお粗末だし(著者は経済学者でもない)、「地下経済」と呼べない少なくとも半世紀以上はアメリカ社会においてサブカルチャーとして根付いているような現象などを、一人称を抑え気味にした文体でルポしているつもりなのだろうが、歴史や公文書などからの引用に多くが費やされているだけである。「60ミニッツ」ならば15分程度の1セグメントで済むような話しを、延々と6時間ドキュメントにされたような内容です。
「チップ」「ベビーシッター料金」「おこづかい」「お駄賃」「お年玉」も地下経済活動なんですかね?とツッコミたくなります。 著者は終わり部分において初めて人間の摂理やいとなみがキリスト教によってゆがめられてきたかについて短く触れているが、キリスト教がアメリカでいかに政治的な原理となっているために現状がこうなんだ、のような内容であるべきなのに、粘着質な著者は、ガッツのあるルポを期待させておいて、実は捜査や裁判の記録で“過去”を再構成するだけというのは詐欺に等しい。
インターネットの時代において、論文の引用にも使えない本です。最期まで読みましたが、裏切られた気持ちです。図画等いっさい無いというのもいかがなものだろうか。