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僕の見た「大日本帝国」

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僕の見た「大日本帝国」の商品レビュー

5.0 好奇心を大事にする
「東南アジアってどこの地域を指すのか?」ときかれ「太平洋戦争で日本が占領していた地域だ」という冗談まじりの小話があるが、著者は戦前日本が植民地にしていた地域を2000年から4年かけて回り、現地で未だに残る戦前の日本の面影を探ろうとした。

実は同じような試みは1998年に出版された大江志乃夫氏の「日本植民地探訪」でもなされている。ただ本の厚さはほぼ同じなのだが、字が小さくて上下二段に組まれているので、頁を開くと読もうかどうか躊躇してしまう。また本の始まりが女優岡田嘉子と演出家杉本良吉の樺太越境事件から始まっているのも、事件を知らない世代には読書意欲を砕かれる。掲載している写真も全て白黒写真で、巻頭にカラー写真を載せた本著の方が圧倒的に親しみやすい。

この本の成功は著者が背伸びをせずに、身の丈にあった取材と書き方をしたことで読者と同じ目線で現地を紹介していることである。それによって「戦前」というものがより身近なものに感じられると同時に、その後の月日の経過が「戦前」を風化させようとしていることも自然とわかってくるのだ。

著者の好奇心を大事にしようという姿勢は最後の靖国神社のシーンまで一貫しており、著者と一緒に旅行するという気持ちで読めば十分楽しめる。
2.0 ただの旅行記。
紹介されたポイントの半分以上訪れたことがあります。その目でこの本を評するならば、まず第一に、掘り下げが甘い。甘すぎる。ただの旅行記というべき代物です。この本がここまで売れた要因としては、ひとえにコンセプトの勝利であり、それ以上ではありません。厳しい言い方かもしれませんが、著者の旅行記にお付き合いできる人だけ買えばいいと思います。その程度の作品です。
5.0 等身大のアジアがそこにある!
この本は、インドへ自分探しの旅をするバックパッカーのノリで著者が大日本帝国を
探しにアジアへ飛び出した旅行記です。

この旅は、特定のイデオロギーに染まった自分にとって都合のいい答え探しの旅とは
違っています。現代の若者が有形無形のかたちでアジアに残る近代日本の残像と出会
い、限られた知識を振り絞って自分なりに導き出した答えや感想を率直に書き綴って
います。

この本をもってアジアと日本の関係を語ることはできません。
あくまでも著者が見聞したものはアジアの表層の一部分でしかないのです。

しかし今の日本人は、その表層にさえ触れていないのではないでしょうか?

そういう意味で観光旅行では知ることのできない、そして日本人なら知っておくべき
アジア諸相をとの関係を考える端緒となる好著です。

構えずに気軽に読んでください。
そして我々戦後世代がアジアと新たな関係を構築していくきっかけにしてください。
1.0 旅行記としては★5つ
西牟田氏は意欲的である。活動的である。あっちへ行きこっちへ行きしている。西牟田氏は楽しそうである。まるで観光客である。そしてそこが致命傷だ。
氏のタッチは下川裕治氏やクーロン黒沢氏を髣髴とさせる。ところがそこまで面白いわけでもない。
稚拙な文章力からは安っぽさが漂い、歴史部分は一夜漬けか著名な書籍を脇においてのにわか知識なのがありありとわかる。掲載されている写真も、当時の絵葉書から、笑顔の著者が一緒の記念撮影まで。文体の「俺はアッチにも行ってきたし、コッチにも行ってきたんだよーすごいだろう」という態度は決して聞いていて気持ちのいいものではない。真摯な意気込みの割にはまるで内容が道楽旅行なのだ。で妙にマジメなことをいうものだから、どうにも胡散臭い。イラクに行った三バカのジャーナリズム本を思い出させる。
なにやら若者が使命感のままに、でもそうすると重いからやっぱ気がつくままに、でも現実の声を入れて、でもそれほど知識があるわけでもないから・・・まーなんでもいいや。みたいな感じの本なのだ。
だが紀行文としてはやはり読ませるものがある。にわか知識のせいで記述が時々誤るのだが(妙に偏った知識しか持っていないときがある)、一応左右どちらにも偏った平等な見方で描いている。単なる娯楽本として読むにはいいかもしれない。だが、正直これくらいの文章なら今はホームページでいくらでもタダで読めるというのが正直な感想だ。
5.0 等身大の個人としての戦争体験理解を共有できる本
中国、あるいは韓国の立場から反日を当然とする本も、あるいは日本の立場から反日につばを吐いたり卑屈すぎるほど卑屈になった本も読みたくはない、だけどやっぱり色々読んでみないとわからないことがある。

で、この本。
著者が自分と2歳しか違わない同じ戦後世代だったこともあって、彼の受けた教育と私の受けた教育はかなり近い。
著者が政治的にニュートラルで、かつ視線が等身大だったことで、戦前・戦中に日本が拡大した領土内でいったいどんなことをしてきたのか、そのよいところも悪いところも著者が見聞きした・調べた範囲で誠実に書かれている。

私は自分であちこちの戦跡を見て回ることはできない−−−というかしない−−−と思うので、彼の体験を追体験させてもらうことで、当時被植民地だった地域の人々が今日本にどういう感情をもっているのか、ということの一端が理解できたのは大変ありがたいことだと思った。

中国人の友人を前にして、その愛国心に感心したり辟易したりすることが多々あった。
翻って、自分はオリンピックだワールドなんとかだってスポーツの分野ですら、日の丸日の丸と騒がれると「応援する気持ち」と「複雑な気持ち」が必ず入り乱れる。
どっちも、戦後のそれぞれの国の教育のあり方によるところが多いんだろうなと思う。

ただ、自分が受けた教育そのものは今更変えようがないし、また学校教育で何もかもまかなってもらおうというのはそもそも無理だと思う。
だから、今からできることといえば、できるだけ多くの立場を知り、できるだけ多くの事実を知り、できるだけ多くの感情をしって、自分なりのポジションなり考え方を作っていくしかないんだと思う。

いずれ、日本代表がどうのとか日の丸を背負ってどうのとかいう言葉を尻がかゆくならずに聞けるようになればいいなと思うけれど。

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