まさしく「売れていい本」です。
活字も大きく、行間も広く取られていますので、書店で30分もあれば立ち読みできそうな本です。特に、著者の言う『日本語力』とは何を意味するかというその骨子は、『はじめに』と各章の主題と著者の「解説」部分を読んでいけば、すぐに理解できるものと思います。そのように「解説」等読んでいきますと、多くの方は、自分も含めて社会全般に、著者の言う『日本語力』が、極めて弱くかつ危機的状況にあるという事実をつきつけられるものと思います。日常、本当に必要とされる筈の力が、今日、まさに欠落しているという事実を否応なく自覚させられることと思います。
(「いや、そんな筈はない。自分は大丈夫・・」と思われる方は、どうぞ用意されているドリル「問題」を、所定の時間内で解いてみることをお勧めいたします。)
この本のねらいは、そのような自覚を読者に促すことであり、そのような自覚を得た読者が、著者の言う『日本語力』の規準に照らして、自分やまわりの人々の日常使う言葉について「この日本語はおかしい、と感じる感覚を身につけること」であると「あとがき」に記されています。
この本は、ねらい通りの成果を確かに産みだす本であり、「気づいた時には、本当に必要な日本語力がいやでも身にしみこ」むように工夫された、(著者の記すように)、まさしく「売れていい本」であると、私も思います。
読みごたえアリ
本書は、論理的に考えたりコミュニケーション能力の向上を目的として編まれた本です(本書でいう「日本語力」とは日本語で論理的に物事を考え、コミュニケーションできる能力のことをさします)。 この本に掲載されている問題を解いていると、いかに自分にこれらの能力がないかを痛感してしまいます。
決して難しい本ではないので、論理的思考力やコミュニケーション能力に自信がない人は是非チャレンジすることをお勧めします。
「東大」のロジック
日本人の95%程度の人は手にとって本書にあるドリルを実践すると良いと思われる。特に、理科系の人は本書で述べられているような能力が必要とされているにもかかわらず、十分にトレーニングされずに社会人になっているのが現状と思われる。したがって、本書は就職活動前の特に理科系大学生の自習書や入社後の新入社員教育の材料としておすすめである。ちゃんと自習すると成果がすぐ現れると思われる。それゆえ、大学入試、特に東大入試をめざす現代国語が苦手な理科系学生の参考書として「国語入試問題必勝法」(清水義範著)と同様の存在意義もあろう。ただし、基本的に東大卒の人が書いた本なので、読者層であるところの庶民を愚弄している感が否めない。話を単純化しすぎて内容が不足し、読んでいて辟易とする。本の内容はともかく、ドリルや解説の書き方に嘔吐する理科系アタマの人も存在すると思われる。