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自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング (宝島社新書)

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自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング (宝島社新書)の商品レビュー

3.0 口が悪いなぁ
 前半では仏教的知見から「なぜ死にたくなるのか」について考察されています。この部分に関しては「怒りの快感を求めて人は怒る」などなるほどと思える気づきがいくつかあり参考になりました。

 ですが後半は表面的な内容でがっかりしました。これくらいの内容でいじめや自殺がなくなるなら苦労はしないと思うのですが。。。。前半の詳細な仏教解説で期待した分落胆は大きかったです。

 あと、日本に来て25年とのことで日本語がお上手なのだとは思いますが口が悪いのが大変気になりました。「自殺する人間は腰抜け」「頭の悪い教師」など仏教徒が口にする言葉とは思えないものが目立ち気分を害しました。また、「日本は○○だ」「日本の△△は○○だ」などと断定的な言い方をしている部分も日本人の感覚からずれた決めつけのような感じを受けました。


 「生きとし生けるものが幸せでありますように」という言葉で締めくくられていますが本当にそのように慈悲の心があるのであればもう少し慈悲の心がしみ出た文章になるのではないかと疑問に思ったのが正直なところです。


 ただしこの著者のすべてがそうだとも断定できませんので他の著書も読んでみようと思います。
5.0 いじめられて死ぬな!という獅子吼
 「序」に淡々と数字が示され、日本における「自殺」の異常な現状を見定めることからスタートします。スマナサーラ長老はそこに、自死を「美化」する文化的背景があると厳しく指摘されます。なるほど、伝統演劇の二大人気演目、「仇討ち」と「心中物」はいずれも自殺を美しく描くなあ。こういうことは虚構の世界だけ限定というワケにはいきません。現実と分かちがたく結びついてるわけです。

 そのように、死んじゃえば「なんとなく」美しくめでたく大団円という発想に陥りがちな日本人には、「なんとなく」励ましたり叱ったりしてみても、自殺を抑制する効果は薄いということになるでしょう。そこには明晰な論理が是非とも必要です。長老が用いるのは、もちろん仏教的な「自殺」の分析。仏教では、キリスト教のように自殺そのものを大罪とする前提はないけれども、しかしたいていの場合、自殺を選ぶと大損をすることがきっぱりと示されます。

 そのようにほとんどの自殺は失敗であり、負け犬の行為であること(例外はありますが)を確認したうえで、たとえどんな「いじめ」に遭っても、そんなみじめな解決策は取るなということが力強く説かれます。「力強く」というのは決して誇張ではありません。長老は日本の「いじめ」の現状を批判するくだりで、おそらくこれまでにない激しい言葉を用いています。これは自分には衝撃的でした。告白すれば、いじめたことがある自分は、そこを読むだけで震え上がりました。そして、いじめられたことのある自分には、この上ない救いになります。いじめてはいけないのはもちろんだけど、いじめに負けてもいけないんだ、それが怖いくらいきちんと身に染みる本だと思います。
 
 


5.0 言葉遣いの強さ・厳しさから、力を得られる書物
自殺やいじめ問題に対する宗教側からの発言は、
(究極的には正しくても)現実に対処する上では無力な回答を、
あらかじめ用意された教義体系から
自動的に引き出してくるだけという、
甚だ不満足なものに終わりがちだ。

それに対して、この本の素晴らしさは、
「仏教カウンセリング」という表題から予想されるような、
どこか偽善的で腰の引けた「やさしさ」や「忍耐」を説くのではなく、
日本社会を知り抜いている著者が、
「いじめをするような下らない人間相手には、
 知恵を使って戦わなければ生き残れない」と、
きわめて強い言葉で言い切っている点にあると思う。

 この国のいじめの現場はもう人間の世界ではないのですね。
 ですから、「慈悲の瞑想」で慈悲の心を育てるとか、
 そんなレベルの話ではありません。
 人間失格ですから人間の師であるブッダには出番がないのです。
 動物的にサバイバルすることが先です。
 正直、日本がこんなにひどい状況とは思いませんでした。
 こんなレベルの人間を相手にするとわかっていたら、
 この国に来ることはなかったと思います。
 これほどひどい社会は直せません。
 クソみたいに汚れています。(p.181)

やや引用が長くなったが、ここまで強い言葉が使われていることに、
衝撃を受けた方も多いのではないだろうか。
ある意味、問題は「仏教以前」のものである以上、
仏教的な立場から安易に答を出すことは出来ないし、
それに対処する上で求められるのは、
「生命力の強さ」なのだとする著者の言葉には、
逆説的に仏教によって磨かれた人格の強さと厳しさが感じられ、
それに触れることで読者は力を得られると思う。
5.0 自殺を応援する日本文化VS智慧を応援する仏教
年間に3万人以上が自ら命を絶つ「自殺大国」とも言われる日本。スマナサーラ長老が仏教の立場から、「人はなぜ自殺したくなるのか?」という大問題に切り込んだ異色作。

単に「命は大切です。」「生かされていることに気付きましょう」といった生ぬるい話は一切出てこない。

生命の根本煩悩のひとつである「非生存欲」をキータームにして、人が自殺に追い込まれる心理的プロセスを精緻に解き明かしていく。

仏教は自殺を絶対悪としていない。しかし人が自殺にいたるこころのはたらきは、確実に悪い結果・不幸な結果をもたらすことを警告する。

後半は日本の子育て・教育について辛口に論じている。これまた社会問題になっている学校での「いじめ」について、具体的なケーススタディをまじえて「サバイバル術」を説く。

通読して感じるのは、これはすごく強烈な本だということ。「日本文化は自殺を応援する文化」「自殺する人は腰抜け」などなど、ギョッとするような言葉が連射されるが、そこには現実をごまかそうとする「善意のウソ」はない。相手におもねったごまかしもない。真理の立場から、ホントのことしか書いてない。

ブッダに握りこぶし(隠す教え)はない。だから、「これが答えだ」とはっきり言い切っている。日本の仏教者が忘れていることだが、これこそが教えを語るものの誠意の形なのだと思う。

仏教とは「苦を知り尽くし、楽に生きることを学ぶ」道なのだと再確認させられた。ウソやごまかしからは苦しみしか生まれないのだから。一人でも多くの人に手にとってほしい。そして元気になって、この世界で楽に生きぬく智慧を身につけてほしい。
5.0 マニュアル本にはない『重厚さ』
喝愛は「五欲」、「存在欲」、「非存在欲」から起こる。…ここから始まる。
「いじめ」と「自殺」は「非存在欲」=『破壊』に…と収束していく、と言い
きってしまえるほど読み解けてはいないと思います。
仏教的な切り口から「いじめ」と「自殺」を説いていきます。
やはり、仏教は『宗教』ではなく、『人間いかに良く生きるか』の視点はぶれ
ていませんね。

この本に解決法を求める人はがっかりするでしょう。この本に新しい切り口を
求める人は裏切られることはないでしょう。
私は、この本の説明で十分だと思います。
マニュアル本では解決できない『重厚さ』と『厳しさ』がこの本にはあります。

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