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格差社会の結末 富裕層の傲慢・貧困層の怠慢

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格差社会の結末 富裕層の傲慢・貧困層の怠慢の商品レビュー

2.0 格差の問題点を掘り下げてはいるが....
格差格差と騒ぎ立てている割に出した結論が相続税100%だとか、年収300万で生活できるとかいう煽り本を書いたりして年収が数千万円以上(1億円を超えているとの噂も)稼ぐ売れっ子経済評論家が自分の収入をひた隠しにして格差格差と大騒ぎする最近の風潮とは一線を画した冷静な視点で格差を眺めている感がある。

ただ一転残念だったのは、本書200ページに書いてある「これからの格差是正策」について、企業や個人の自由闊達な経済活動とグローバリゼーションを受け入れたうえで、1、富裕層や上級中間層に今以上の負担を求める 2、そこから得た資金を現役世代の貧困層を中心に再配分する...とあったが、現実に国家がグローバリゼーションを受け入れるということは、「人も物も金も国家の内外を自由に動いて結構です、そういう環境で人からも物からもお金からも国家が評価され続ける状態を許容します、どうか我が国に住んでください。」と言っているに等しいのである。そういう状況で富裕層や上級中間層に今以上の負担を求めたらどうなるかという視点が筆者に完全に欠落しているのである。

ヨーロッパ各国がなぜ相続税を相次いで廃止しているのか(あのスウェーデンですら2004年に相続税を廃止)、なぜ世界各国で法人税を減税しているのかが全く分かっていないのである。グローバリゼーションの意味がいまいち分かっていないという部分は日本の官僚や学者特有の考えの甘さがもろに出ていて、そこがとても残念でした。
4.0 買いですが。
本書は、格差社会について主に政策等のハードな面からの分析を試みているのですが、著者のような経歴の持ち主からサブ・タイトルに象徴されるような結論を出されても、もちろん自分を除いて話をするつもりはありませんが、読者は自分がどういったレベルの生活をしていようとも、どこか身も蓋もない気持ちにさせられてしまうのではないでしょうか。「勝ち組/負け組」の二元論で言えば、ほんの一握りの「勝ち組」以外は、その多くが「負け組」に分類されてしまうわけですから。もちろん本書には明確な処方箋がいくつも提示されてはいますが、そのいずれもが少なからずの国民に、自らが弱者であり(程度の差はあれ、幾分かは)貧困層であるとのハードルを突きつけているように思えてしまうのです。そこを乗り越えさせるインセンティヴが難しいような気もします。
4.0 経済と社会の切り分け
格差拡大は小泉政権のせいなのか?今後、格差は大きな問題になるのか?また、解決策はあるのか。元厚生官僚が、現場での経験を踏まえた現状分析と「バラ色の格差社会」像を提示する。

処方箋として示されている、弱者への手厚い職業訓練の実施や企業による求職条件の明確化などは非常にうなずける内容。ただし、本書でも触れられているとおり、実行にあたっては富裕層・中間層・貧困層相互間や政府の「トラスト」が不可欠であり、これを醸成することが、実はもっとも難しい課題である。

それぞれが自分の利益のみを追求し、社会全体の利益を省みない現状は、日本のリーダーたちの理念のなさ、金がすべてという社会の風潮、国や人に頼るばかりで自分たちは「痛み」を分け合おうとしない現状など、単純な政策ではいかんともしがたい、国民の心性から変えていくことが必要である。しかし、そんなことが今の政治システムで本当にできるのだろうか。現実は重い課題を投げかけている。

全体的に、妥当な分析と、あまり極端でない処方箋が示されており、格差論議全体を考える上で参考になる良書。
4.0 コンパクトに、手堅くまとまっている

感情論に陥りがちな格差社会論が、
コンパクトに、手堅くまとまっている。

著者は結末に、「格差が固定しない健全な競争社会」
というユートピアを提言、その達成には
「信頼(トラスト)関係」が必要と説く。
最後にやや精神論じみてしまう点は残念。
かといってこれといった特効薬・処方箋はないのだが。
3.0 政策論争の内容を確認できる。
本書では「小泉政権後の格差社会の行方」を政策論争しています。
表題・小題がやや過激につけられていて、意見の偏りもあるので
あらかじめ自分の立ち位置を決めてから読むことをお勧めします。

政策論争時に統計資料を引用しているため、統計資料の出典を確認
することに重宝します。

「世帯・所得」を軸にすると格差は拡大していないように見えるが
「個人・賃金」では格差は若年層で拡大しているなど、政策論争の
内容を確認することにももちろん役立ちます。

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