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薬学博士である井出利憲氏による、分子生物学の入門書。 主に高校で生物化学を学んだ大学生向けの本と言ってよい。本文は340ページほどであり、 分子生物学の入門知識はほぼ手に入る。生物とは何か?という問から始まり、細胞、 遺伝子と全体のつながりを重視した記述が特徴。索引もしっかりしている。 発展的な内容はコラム欄を用意して簡潔に解説している。 入門書といいながら、本書による到達点は非常に高い。多くの図を駆使し、原核生物 と真核生物の転写、翻訳の過程の違いまではっきり分かるようになっている。 それでいながら、井出氏独自の考え方(そして生物学を学ぶ上で重要な考え方) をしっかり導入することにより、初学者でも読み進められる仕組みになっている。 また、初心者対応として、ここは全部暗記しなくても良く、複雑さを分かってもらえれば 良いという記述が所々にあり、挫折可能性を少なくしているのが素晴らしい。 全体を貫くストーリーが明確に有り、記述は丁寧で文章も達者、図も多い。 大学の学部生が使用する分子生物学の入門書としては、現時点で 出版されている本では最良のものであると私は確信している。 ところで、本書を試験勉強用に使う場合、BSEや鳥インフルエンザ、ES細胞等の 各論的なテーマにはあまり触れられていないので、 他の本で補って欲しい。本書を読んだ後ならより深く理解できるだろう。
学部3年のものです. 以前から井出利憲先生の書く本が好きで,衝動買いしました. 読んだ感想ですが, 「わかりやすい・・・が,深く理解できる.」 の一言です.専門書は硬くて難しいと感じている学生であるなら絶対に買っておくべき本です. 一般的な教科書とちがい,事実の羅列ではなく,理解させることを重きに置いた説明のしかたで, この本を読めば,すんなりと専門書にステップアップできるはずです. 井出先生の本の特徴ですが,いたるところに井出先生の生物や研究に対する哲学が現れており, 他の本にはない読者を引きつける内容になっています. 本当に面白いんです.飽きが来ない.これは保証します. 飽きが来なく,集中力を切らせず,興味を持って読めるかどうかが入門書に求められる要素だと思いますが,本書はこの点において文句なしです. 私は1年のときに,井出先生の書いた「分子生物学講義中継(全5巻)」に出会い, 生物学,分子生物学の面白さを知りました.全巻5回は読んだと思います. 研究者として生き,一生を勉強して過ごしたいとまで思わせてくれました. ただ「分子生物学講義中継」は講義中継と銘打ったわりに分量が多く,5冊全部読むのは大変で,5冊そろえるのにはかなりの出費を覚悟しなければなりません.内容的にも専門的な面にも多く触れており難しいのです. なので同級生や後輩に勧めるのには,いささか躊躇していました. しかし,本書は,講義中継5冊のよいところを抽出したという感じで,お得な1冊となっています.これは本当にオススメです.本当に面白いですよ. 人に何か分子生物学の本を薦めてくれといわれたら,間違いなく本書を推します. (あとがきで続編も出るような書き方をしていたので,続編が出る可能性もあります) レベル的には学部1-2年レベルくらいだと思いますが,ところどころ深く突っ込んでいる部分もあり,特に遺伝子の部分は「エッセンシャル細胞生物学」よりは詳しい内容にも触れております.
しろうとですが、一気に読みきってしまいました。 これほどの内容を、これほどおもしろく、これほどわかりやすく説明した本は ありえない!と思いました。かなり専門的なところまで踏み込んでいますが、 むしろ、だからこそ本当に分かりやすものとなっているように思います。 この本を読んで、一般向けの興味本位で読まれるような本を何冊読んでも 分からなかった部分がいくつも氷解しました。 というか、そういうたぐいの本は全て吹っ飛びました。 ちょっとバカバカしいイラストも笑えます。ありえないほどおもしろい本です。