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隠れた人材価値―高業績を続ける組織の秘密 (Harvard Business School Press)

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隠れた人材価値―高業績を続ける組織の秘密 (Harvard Business School Press)の解説

   アメリカの企業経営については、日本のなかに紋切り型の理解が多い。冷徹なM&Aとリストラ、徹底した個人主義、MBA信仰などだ。しかし「人間重視」「現場重視」「平等主義」で継続的に高業績を上げている会社もある。本書は、そうした企業に光を当てて成功の秘密に迫ろうというものだ。事例8社の徹底した記述が、ミステリーを読むようでおもしろい。

   成功事例として取り上げられているのは、米航空業界の熾烈な競争を勝ち抜いてきたサウスウエスト航空、ネットワークの覇者シスコシステムズ、紳士用衣料チェーン店のメンズウエアハウス、ソフトウェア企業の大手SASインスティチュート、医療サプライ(医療機器、医療用品)販売業のPSSワールドメディカル、独立系電力会社のAESコーポレーション、トヨタとGMの合弁会社NUMMIの7社である。さらに、これらの7社と多くの類似性を持ちながら、必ずしも十分な成果を上げられずにいる事例として、半導体のサイプレス・セミコンダクターが取り上げられている。

   著者によれば、成功事例の特徴は、社員の中に秘められている価値を引き出し、才能をフル活用している点だ。7社は社員参加、ロイヤルティー、仕事を楽しむセンス、低い離職率、高水準の財務実績という点で共通している。社員中心主義の価値観がはっきりと会社の基盤にあり、日常の細かい経営慣行がその価値観と一致している。

   優れた人材を確保しても、卓越した「戦略」を立てても、それだけでは十分ではない。連続的な高業績を支えているのは、基盤におかれた強固な価値観であり、またそれを支える日々の慣行である、という。紹介された成功事例には、日本の企業経営に共通する点が多い。

   本書は、読んでおもしろいという点で、かつての『エクセレント・カンパニー』に通じる魅力を持った本だ。AESのように、日本であまり紹介されない事例も含まれている。(榊原清則)

隠れた人材価値―高業績を続ける組織の秘密 (Harvard Business School Press)の商品レビュー

4.0 企業とは誰のものかという問いへの解答
本書は翻訳書であるがゆえに外国企業の例が続くが、日本でも有名なシスコ、SAS、サウスウエスト航空、トヨタとGMのジョイントベンチャーなどが挙げられる。これらの企業の好業績のプロセスの土台とも言えるものは何かという追求が本書での主題である。

結論から述べると、上記の企業は価値観であるコアバリューを全社員に浸透させることに成功しており、この価値観からもとにあらゆる企業活動が動機付けられる。絶え間ない好業績企業では、コアバリューを社員に適切に教えること、社の雰囲気をコアバリューに沿ったものとすること、経営者自身が偽り無くこれに従うことが必然であると著者は述べている。コアバリューと経営者の姿勢に違和感がある場合、社員は必ずこれを見抜き、企業は経営者の意図する方向と異なっていく例をいくつかの企業(リーバイス等)を挙げて述べている。

本書はビジョナリーカンパニーのメカニズムを垣間見させてくれたような一冊である。成功例として挙げられている企業は、良き日本企業の文化に通じるものがあり、日本企業はこうした成功例を逆輸入することで更なる成長をはかる必要があると大いに感じた。
5.0 人材活用の成功事例
人材活用の成功事例が豊富に載っている本でした。
ただ、大規模な企業がばかりなので、中小企業の場合、適用できないところも多々。
ヒントとしては意味のある本です。
中小の採用で最近役に立った本と言えば、中小企業の採用担当者へ!「これが新卒獲得のノウハウです」―「採用力」が確実にアップする業務の基本74がある。
こっちは大手ではあまり意味がない。
用途によって、規模によって、使える本は違うということです。
5.0 本来の日本的経営
本書には、経営の王道とも言うべき人材活用術が数多く紹介されています。しかしその内容はかつての日本企業が当たり前のように持っていた、「家族的」で、「長期的なビジョンに立った」ものでした。
これらが現在の、「ドライ」と言われているアメリカ企業に於いてここまで成功を収めているとは夢にも思っていませんでした。

本書で紹介されている、「サウスアメリカン航空」などは、数多くのビジネス戦略書において、「これぞ経営戦略の見本」のように喧伝されていますが、基をただせばなんのことはない本来日本企業が当たり前のようにやってきた人材活用術をもう少しシステマティックに行ったものだったわけです。

本書では、「自由な雰囲気により、社員の自己提言を促進」し、「情報を正しく共有」し、「脅しではなく、チームとしてどのようにしたら結束できるか」を優先して企業経営をする会社が業績を伸ばしていると説いています。

もちろんこれだけで会社が伸びるわけではないのでしょうが、あらゆる企業戦略が、この考え方ベースにしていなければ飛躍は出来ないのでは、と言う問いかけは大変貴重に思います。この考えの根本にあるのは、「人間の能力は無限であり、気持ち次第でそれを引き出すことが出来る」というところにあると感じました。
1.0 退屈な成功企業礼賛
理想的な成功事例を集めた本だが、中小企業の経営に携わる立場でこれを読んだ僕は、むしろこれらの成功事例をどうやったら自社に取り入れられるか?と考えると目まいがするほど当惑した。真似できないからこれらの企業は成功したのであって、成功企業を礼賛するだけの記述からは取り入れられるところが少なく、ひどく退屈で読み進めるのも骨が折れた。

最後に出てきたサイプレス・セミコンダクターの失敗ケースだけは楽しんで読めた。経営者の仕事はうまくいっていないものをうまくいくようにすることであり、失敗ケースを読んで自分ならどうするか考えるほうが経営者としてのアタマのトレーニングとしてはずっといい。どうせなら失敗ケース集にしてほしかった。

5.0 企業は人なり
優秀な社員がいない。入社しても優秀な人材ほど転職や独立していく。
そしてやる気も能力もない社員だけが残り、社長は「なんでウチにはロクな社員がいないのか」と嘆く。
こんな会社は案外多いのではないだろうか。

本書は本当の意味で、人材の持てる本当の力を引き出して成長していく企業となるためのヒントが詰まっている。

社員の会社への忠誠心が薄れていく風潮の中で、本物のマネジメント、リーダーシップとは何かを考えさせられた。

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