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世界がキューバ医療を手本にするわけ

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世界がキューバ医療を手本にするわけの商品レビュー

5.0 貧しいのにトップレベルの医療
 本書は人口1千万人、アメリカの経済封鎖で苦しむ開発途上国キューバで行われている、世界でもトップレベルの医療の現状をレポートしたものです。
 キューバは一人当たりの年間所得は1000ドルで、日本やアメリカの4万ドルの40分の一でしかないが、新生児死亡率はアメリカよりも少なく、日本に迫る数値をあげています。それは予防医学の観点から120世帯に一人と地域に手厚く配置されるファミリー・ドクター制度で病気の8割治療します。医師が地域に住み込んで、治療だけでなく往診をして、保健指導や心理ケア、家族関係の相談までこなすこの地域での予防医学によって、病気の発生と、一人当たりの年間医療費を251ドルに抑えています。残りの2割は高度に発達したバイオテクノロジーや高度医療技術で治療します。インターフェロンの大量生産や、髄膜炎ワクチンの人口合成、エイズ治療薬の自力開発など、その高度な医療技術にもさることながら、その薬品を安価で開発途上国に提供し、人類の災禍に対して挑戦するその姿勢が極めて清々しい。
 また共産圏の崩壊による経済危機の中でも、医療の水準を下げないために、世界中の代替医療を収集・研究し、活用しています。今では鍼灸(鍼麻酔を含む)、ハーブ、温熱療法、ホメオパシー、レーザー療法、オゾン療法、磁気の活用、マクロビオティックなど広範囲に及んでいます。また、紙の節約のためにコンピューターネットワークを大々的に整備し、それが結果として広く分散的で、かつデータに基づいた確実な医療を実現する基礎となりました。
 これらのハイテク、ローテクを駆使した独自の分権的医療制度を担うのが、国内だけではなく世界中で献身的に活動する医師たちです。大規模災害地域で、貧困地域で、もっとも困難な地域に無料で往診に行き、治療だけではなく、医療教育をし、医療機器を置いて引き上げていく。「医師はビジネスではなく職業です」という職業倫理の高さに、驚かされます。本書ではこれら病と闘う医師の姿勢を、キューバ革命の延長と捉え、革命の英雄ゲバラの姿と照らし合わせていきます。
 東京大学医学部の在校生が475人、ハバナ医科大学は2万8千人。この医療に対する両国の温度差を浮き彫りにすることで、本書は日本の医療の将来に警鐘を鳴らします。誰もが幸福に暮らせることを目指したキューバ革命を通して、私たち日本の医療と社会のあり方が鋭く問われています。ぜひ、多くの人に読んでもらいたい本です。
3.0 キューバーの医療はcost performanceは良いのですが・・・
確かに、キューバの新生児の死亡率は米国より低い。また、国家としての医療費も低く収まっている。よって、cost performanceは良いことは認めざる得ない。その点は、日本も見習うべきだと思う。

しかし、一般的に行われている医療水準(高度かつ、平準化されており、安全な医療)は米国と日本の方が断然上だと思う。
4.0 どう日本に応用するか
この本の長所
1.あまり聞かないキューバの医療(ファミリードクター、経済封鎖が一因で発達した代替医療、ワクチン、など)・教育(無償。経済的、社会的、及び文化的権利に関する国際規約第13条第2項参照)・社会保障(手厚い若年失業者プログラムなど)がわかるところ。
2.日本人が、いかにアメリカ経由の情報に頼って暮らしているかがわかるところ。
3.健康法が書いてあるところ(禁酒禁煙原則、運動をする、野菜をたくさん食べる、など)。
この本の短所
キューバのシステムがいいとすると、それをどう日本に応用するかが不足しているところ。キューバの財源もよくわからないし(物価が安いからできる?)、資本主義・個人主義にどっぷり浸かっている日本ではできないことも多かろう(この本のようなニューリッチに税金を払わせることは、今の日本ではたぶん無理。それならどうするか?)。
結論―長所星5つ、短所で星1つ減らして、星4つ。
5.0 医療人その2
医療難民、介護福祉難民、経済難民が増える最中、本をとってみて、目からウロコでした。出版タイミングもよく、多数の方に読んでもらいたいと思いました。
5.0 地道な取材はやはりいいものです
出版されたタイミングが何とも巡り合わせを感じます。
マイケル・ムーアの「シッコ」がリリースされたり、日本でで福岡で福祉事務所に生活保護をうち切られて
餓死者が出たりと、弱者への切り捨てが顕在化した年でした。
おまけにC型肝炎の薬害まで表面化して、誰のための医療行政なのかと考えさせられる日々です。
日本の自殺者は2007年も3万人を超え(9年連続)たそうで、キューバと日本のどちらが豊かなのか分からなくなります。

エピローグに出てくるバヨナ氏(元駐日本大使で医学の勉強もした人)の話もなかなか面白かったです。
著者は取材を通して実に魅力的な人たちと出会っているという実感が伝わってきます。

キューバの経済封鎖に賛成しているのはアメリカ・イスラエル・パラオの3カ国だけというのも初めて知りました。
いかに日本は情報が遮断されているか痛感します。

医療・教育システムのや優れたバイオテクノロジーの話も興味深いものです。本当にたくましい国と感じさせてくれます。
テレビや新聞によく出てくるお医者さんにもぜひ読んで頂きたいです。

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