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戦前の少年犯罪

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戦前の少年犯罪の商品レビュー

4.0 イメージの一人歩き。
最近少年による凶悪犯罪が増えたとの言説は、一時期ほど多くは聞かれなくなった気も
しますが、それでもまだ多くの人が凶悪犯罪の増加や低年齢化を素直に信じているのは、
大手マスコミの報道を見ていれば、ある意味仕方の無いことだと思います。
私も、統計などでは凶悪犯罪は昔からすればかなり減ってきているというのは知ってい
ましたが、本書のように具体事例を数多く挙げて、その実態を明確に示してくれるとい
うのは、認識を深めるということからも貴重で有益なことだと思われます。

それにしても、このような犯罪事例の収集とまとめは大変な作業であり、著者の情熱と
根気には驚くばかりです。しかも、犯罪研究が目的というわけではなく、世間や有識者
と言われる人たちの信じる情報の不確かさを明白にするという、著者の衝動ともいえる
ような、一種の使命感のようなものさえ感じます。

著者のメッセージは本書内にもありますが、世間で流れている情報を無条件に鵜呑みに
するのではなく、可能な限り自分でデータを集め、自分自身で考え判断を下すべきであ
るということであり、著者のペンネームはダイレクトにそのことを主張しています。

著者の目的の故に、本書は情緒的で扇動的な方向に流れることなく(そう思わない人も
いるとは思いますが)、あくまでも情報の提供に徹しており、また、記事へのコメント
や時折挿入されるコラムで、時代背景やちょっとした解説が軽妙な語り口でなされてお
り、認識を改める上でよい助けとなります。

ただ、事件の量が多く、内容も陰惨で、だんだんと読むのが辛くなってきます。しかし
本書に掲載されいるのは一部に過ぎず、ホームページの方ではまだ多数のデータが掲載
されているということであり、そこに載せてあるものも全てではないとのことです。
その犯罪内容も現代とあまり変わりなく、戦争を挟んでいますが、人間の本性はそんな
に変わることはないのだという、ある意味当然のことがことがよくわかります。

著者の意図は、何度も言うように、事実の提示により、巷に流布する言説のいい加減さ
を明らかにすることですが、その興味の対象は情報の伝達の仕方にあるといいます。著
者の言うように、これらのデータは特に隠されたものでもなく、その気になれば誰でも
入手できるものですから、世間では十分に事実を確認せずに情報が広がっていることに
なります。これは事実がどうかに関係なく、人々が望むような情報が勝手に作られると
もいえるし、また何者かが自分の望む方向に世論を誘導するような、情報操作の可能性
も考えられます。この辺は大衆心理の領域であり、噂や都市伝説などとの類似点も多く、
確かに興味深い現象ですし、もっと深く知りたいところではありますが、本書の範囲を
超えます。

本書によって、自分も含めて世間がいかに情報を鵜呑みにし勝ちであることが明らかに
なり、自分で調べることの重要性を再認識することが出来るため、多くの人に読んでも
らいたい本ではありますが、よく考えるとこのような本を読もうと思う人は、既に情報
を自分で吟味して、そのまま安易に信じることはないような気がします。
しかし、このようなイメージ先行の思い込み現象は犯罪状況に限ったことではなく、世
の中にはいろんな形でいい加減に流布している情報も多いと思われます。自分の思い込
みや世間の風評をチェックする意味でも、そして犯罪という人間のある意味本質的な営
みについてよく知るということからも、本書は有益であると思われます。
1.0 著者に疑問を感じる
率直な意見、著者に疑問を感じる。この本を執筆したのはまだ若年層の方だろう。かく言う当方も高校生であり、著者に意見する権利はないのかもしれないが…ペンネームがふざけすぎではないだろうか。それと、著者の言葉遣いには非常に疑問を感じ、これをよく公に出したと感じてしまう程である。
二・二六事件での青年将校の事をニートと呼んだのは間違いではないだろうか。彼等はニート等ではないし、事件を起こした経緯も当方としては頷ける物である。彼等を肯定するつもりはないが、言い回しが非常に腹立だしい。二・二六事件の事と少年犯罪は別物だと当方は感じるのだが…如何なものだろうか。
戦前であろうと現代であろうと犯罪は犯罪である。許されるべきではないし、法により裁かれるべきではあると思う。ただ、言わせて貰うなら…戦前と現代では『殺し』という事の重大さは遥かに違うのではないだろうか?現代では殺しは犯罪だが、例えば、宮本武蔵がいい例であるが彼はあれだけの人を殺しても尚勇者である。殺しが当然であったと言っても構わない。
当方が述べたいのは、現代の犯罪と過去の犯罪を比べる事自体が間違っているのではないか、と言う事である。故に、著者に疑問を感じるのである。

こういう本はやはり、どれが正しいか否かの正解はないのではないのだろうか…?
3.0 面白いテーマを見つけましたね
面白いテーマを見つけたと思う。

昔はよかったという人に対し、そうではなかった例を新聞記事などからいやというほど見せ付ける。国会図書館にこもり古い新聞と雑誌を調べつくした結果のようだ。

小学生の殺人、女学生の「桃色交友」旧制高校生の低俗さなどを新聞記事から例証する。その範囲では面白いというしかない。

しかし、好きになれない本だ。文体の軽さ。地域や階層や、個人の個性の違いを超えて人間を一くくりにしてしまう強引さ。アジテータとしての才能は一流なのだろうがーー。

そんなわけで星3つ。
5.0 俗説に反して
これはすばらしい。ワイドショーがたれ流す俗説に反して、今が犯罪の少ない時代であることを知ってはいたが、戦後最も犯罪の多かった「三丁目の夕日」の昭和30年代と比べても、昭和の戦前期間がいかにひどい犯罪が続出し、親殺し、幼児虐待、いじめ、教師の犯罪が日常茶飯事だったかを著者は国会図書館に籠って余すところ無く調べ上げている。

書店子の言うとおり、著者の真意はメディアの有り方にあることは承知の上で(むしろそちらの方は周知のこととして)、二・二六事件についての考察が面白い。青年将校はニートで、当時頻出していた親殺し、老人殺しの延長上に事件があったとすれば、柳家小さんは要するに不良少年の舎弟だったのですね。

今でも徴兵制を説いている人がいて、まぁ、ニートを自衛隊に送り込めば失業対策としては意味があるでしょうね。しかしながらAmazonによるとこの本と同時に赤木智弘さんの「若者を見殺しにする国―私を戦争に向かわせるものは何か」が売れているそうで、そういう人たちは実は古典的なニート犯罪たる二・二六の再来を願っているのでしょう。
2.0 何だかオチャラけた解説
 真面目そうなタイトルだが、内容はスポーツ紙かネットの書き込みのレベル。

 図書館で調べた戦前・戦中の(主として)地方紙の記事の抜粋に、チャラけた文体の解説を加えたもの。学術的な資料や考察は皆無。確かに笑えてくるような非道い犯罪の記事をよく集めているが、この著者には基本的なレファレンス(出典指示)の知識がないのか、或いは意図的に無視しているのか、記事の抜粋も恣意的で、新聞名や日付、頁の表示が全く無い。要するに戦前を美化する「知識人・文化人」の言論・風潮に対するルサンチマン(不満)の捌け口を求めただけなのか?

 「戦前の方がひどい少年犯罪が多かった」と言いたいようだが、巻末のデータを見ると戦後の一時期(昭和20〜40年代)の方が殺人・強姦・強盗はずっと多い。

 2・26事件が何故この本で扱われるのかは不明だが、その解釈には結構笑えた。

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