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知っているようで知らないピカソの絵画とその生涯を分かりやすく解説してくれるムックです。オールカラーで見開き2ページで一つのテーマ・絵画について述べています。 よく言われているように、ピカソは画風がめまぐるしく変化した画家として有名です。それぞれ特徴のある絵を描いているので「○○の時代」と呼ばれています。本書の時代区分もそれを踏襲していますし、内容もピカソの年齢別に紹介してありました。 内容は、第1章 幼少の時代、第2章 青の時代、第3章 バラ色の時代 ピカソが影響を受けた芸術家たち、第4章 キュビスムの時代 《アヴィニョンの娘たち》、成立とその後 キュビスムという革命、第5章 新古典主義の時代 ピカソをめぐる女性たち、第6章 シュルレアリスム、ゲルニカの時代 ピカソと闘牛 スペイン内乱と流転の名画《ゲルニカ》 ピカソと内戦以降のスペイン、第7章 戦後の時代 ピカソの彫刻 ピカソの版画 ピカソの陶芸 ヨーロッパのピカソ美術館 日本で見ることができるピカソの作品、となっています。 48ページの「ピカソをめぐる女性たち」でも7人の女性が写真入りで紹介されていますが、正式な妻以外にもこのように多くの愛人を作っています。ここでも書かれていますがピカソは生涯に2回結婚しており、オルガ、マリ=テレーズ、フランソワーズ・ジローの3人の女性との間に4人の子供を作っています。そして交際する女性が変わるたびにその画風が変わるとも評されていました。 監修の大高保二郎氏は、早稲田大学教授で、専門は西洋近世・近代美術史、特にバロックならびにスペイン美術史です。著者の松田健児氏は、コンプルテンセ大学(マドリード)博士課程単位取得修了し、執筆時は上智大学非常勤講師で、専門はスペイン美術史です。
タイトル通りに、時代順にピカソの人生と作品を追った本。 専門書みたいに難しくなく、簡潔だけれど詳細。 作品解説の他に、ピカソを取り巻く事柄や鑑賞ポイントが。ピカソを取り巻く事柄を知ることで、彼の人生・思想・感性・美意識...が彼の作品に投影されていると感じられ、作品をより深く味わえます。鑑賞ポイントでは、作品をどう観たら良いのか分からない鑑賞者に作品を観る為のヒントを与えてくれます。ピカソ初心者は専門書を読む前にこの本から。 ピカソは意外にもデッサンが巧く、アカデミズムな技法を使いこなしていたからこそ、逆にキュビスムやシュルレアリスムなどで大胆な冒険をした抽象画で第一人者になったのだ。 子供のお絵かきのように感覚の赴くままに天真爛漫に描いていると思われがちだが、実は緻密な計算で理論的に描いているんですね。 ピカソの作品を観ていると、苦悩・孤独・絶望・憂鬱が伝わってくる。 作品の幅も広い。 本当は★★★★★にしたいが、ピカソを取り巻く人間関係がきちんと整理されているとは思えず分かり難く混乱してしまうので、★★★★。