日本人による体脱体験の理論書
体外離脱関係の本はほとんどが外人によって書かれたものなので
日本人の著者による本書はとても珍しい。本書は自己の体外離脱体験を基に、この現象を著者なりに科学的に
分析したものである。したがって、著者の体験の外にあるものは
考察の対象外としているような観を呈している。これは長所であると
同時に短所でもある。例えば、著者は体外離脱後の非物質の自己と
死後の魂とをはっきり分けて考えているが、こうした考えは著者独自
のもので首肯できない人の方が多いのではないか。
本書の長所は、内外の関係文書が巻末に一覧として載せられていること
である。この資料的価値はとても大きい。
エンジニアが自ら分析した体外離脱体験
極めて異色だが、面白い本である。普通この種の本は自らの体験談を語ったキワモノ扱いか、研究者が第三者の体験を客観的に書いた本が多い。
本書は体外離脱現象の科学的解明を目的としており、自らの体外離脱体験をエンジニアらしく、冷静に科学的に分析、考察している。自分の体験をこうまで客観的に見つめられる人は少ない。副題の「東大出エンジニアの体験手記・考察」にも真面目な本ですよ、という姿勢があふれている。
体外離脱体験だけではなく、超能力現象や、脳に対する分析、考察にも詳しい。参考文献も満載である。
だからかなり固い本のように思えるが、そうでないところにこの本の別の価値がある。内容も文体も大変やさしくて読みやすい。著者の夫人や家族への深い愛情も読みとれて大変ほほ笑ましいところもある。
体外離脱、臨死体験、超常現象、超能力に興味ある人には ぜひお薦めである。