短時間に、スループット会計の全体観、効果、導入する場合の勘所を掴める。
TOCの核で経営・利益改善に一番インパクトのあるスループット会計の全体観、効果、導入に際しての勘所を把握できる。また、TOC理論とその効能のコアを把握できる。小説は感じで理解するのに役立つ。が、実際にそれをどのように応用するかというところで、この一冊が優れたとっかかりになるだろう。平易な書き方、示し方であるのも即戦に役立ちそうだ。
スル-プット会計についての初めての入門書
ゴ-ルドラットのベストセラ-「The Goal」の翻訳が出てから2年、
やっとスル-プット会計についての本が出ました。TOC(制約理論)
を勉強してきた一人として素直に喜びたいところです。TOCの日本への普及を見ていますと、その多くがDBR(ドラム、バッ
ファ、ロ-プ)適用による在庫削減、リ-ドタイム短縮、スル-
プット向上などのようで、TOCの重要な貢献の一つであるスル-
プット会計についての本が出たことは、TOC研究とその実践により
一層の厚みを増すものと評価できると思います。
第1部の基本的な解説はさておき、第2部「スル-プット会計を実践
する」では、TOCの解説本で良く見る製品の選択を含めて幾つかの応
用問題があり、実務レベルで参考になると思います。
但し、著者が言う、「スル-プット会計では変動費を材料費を絞っている」(p.53)とか、
「スル-プット会計は直接原価計算の考え方を発展させ、まとめたもの」
との指摘(p.174)には賛成出来ません。
変動費を材料費に「絞った」から「発展」なのでしょうが、ゴ-ルド
ラットは材料費を含めて変動するもの全てが変動費(Tom Corbettは
その著作「Throughput Accounting」でTotally Variable Costと表現
しています)としています。スル-プット会計は、従来の原価計算に
囚われない新しい考え方(パラダイム・シフト)であると解説するほ
うが良いのではないでしょうか。
幾つかの問題点はありますが、スル-プット会計を最初に学べる本書
を多くの方にお勧めします。