マーケティングの隠れた教科書
インタビューの視点もよく、また文章力もあるのでスラスラ読めます。
皆さんもご存知のアイボやi-modeの裏側が充実のインタビューで解き明かされます。
物を売るってこういうことなんだって気付かされます。
マーケティングってコトラーみたいに体系的に纏められた話もあるけれど結局、ケース・バイ・ケースで、そのときの微妙な閃きや、人との繋がりで決まるってことが
改めて認識できる本だと思います。
買い推奨です。
今の時流は何か?を考えるのに最適
ヒットは一過性のものもあれば、半永久的に続いているものもありますが、どちらかというと平成不況の中も「こういうことに焦点をあてればヒット」というもの・サービスを14こピックアップして取材、説明しています。そのヒット商品とは「宇多田ヒカル」「ごはんがススムくん」「動物占い」「iモード」「本田技研工業S2000」「甘栗むいちゃいました」「トヨタ自動車bB」「ユニクロ」「キャラっぱ!」「アイボ」「金のつぶ・におわなっとう」「聞茶」「牛角
」「千と千尋の神隠し」です。それぞれの生みの親などに取材して報告する本書は現代版のプロジェクトXに近い内容かもしれません。
本書に示されているヒット力ですが、ヒットのヒントは以下の2つのキーワードが浮かばれると思います。
(1)identification
自分をアピールできるような独自性を作り出す、あるいはそのものが独自性のもの。きゃらっぱやbB、動物占いなど携帯で自分のオリジナルを持ちたい!や自分の動物を知って会話のネタにしたい!というところがあるのでは?と思います。またbBに象徴されるような本来の走りにこだわるよりデザインが優先されること。日本全国みな中流から、何かを求める姿勢・世の中になったのでは?と思います。
(2)村社会へのあこがれ
核家族、少子化の現在において、なくなりかけいてる旧来の村社会にあったコミュニティを求めているのではないか?と考えています。すなわちアイボそのものが人に安らぎを与えるのではなく、アイボのオフ会に象徴されるように、その商品を通してのコミュニティを満喫したいという欲求が多いのではないでしょうか?
ヒット力がすべて上記2点に集約されることはないのですが、本書で紹介されている商品をもって、今の時流は何か?と考えるのに良好な一冊と思います。
分かりやすい本です。
私は非営利の仕事をしていて、
商品のヒットとか無縁の仕事をしていますが、
この本は分かりやすかったです。
スラスラ引っかからずに読めました。
発明というのは、すごい商品を開発する
と思っていましたが、そうではなく経営の
あらゆる段階で、必要とされていますね。
昔より隙がないというか、緻密というか。
仕事には直接役には立たないけれど、発明の発想方法とか、思考回路は
どっかで役に立ちそうです。
あと著者の失敗談を素直に載せているところに
好感が持てました。
著者の力
この本には、製品開発者の努力、能力もひしひしと伝わってくるが、一番素晴らしいのは著者の視点だと思う。著者があとがきで、
『ただ私は、開発者の英雄物語を書くアプローチをとろうとは思わなかった。取材で得られた言葉と、消費者としての自分の感覚、実際にその商品を購入した人々の横顔、企業のおかれた状況などを一旦混ぜ合わせ、商品そのものが含み持つ時代性を描ければと考えた。』
と言っているように、あらゆる視点からその製品に対しての取材に挑んでいる。
そして決して製品だけに終わらず、時代との関連性を述べることで、ヒットの秘密、そしてヒットを作る側としての消費者の姿を浮き彫りにしてくれる。
これからヒット商品を作ろうと挑む人、今までうまくいかなかった人、なぜヒットしたかを知りたい人、の全ての人に読んで欲しい本である。
安直なビジネス本に飽き飽きしているあなたへ!
隠れファンである「宇田多ヒカル」の話が書いてあるから見てみよう……。最初はそんな軽い気持ちで手にとった。だが、読み進めていくうちに、著者が広報戦略に乗ったこれみよがしのヒット商品紹介や、お決まりの開発感動秘話ではなく、めまぐるしく変わる消費者ニーズに挑む企業人たちのせめぎあいを「ヒット商品」という道具を使って表現しようとした力作だと気が付いた。この本の「ユニーク」さは、ひとえに書き手である長田さんの視点のユニークさによるところが大きいと思う。「今」を書きながら、「時代の流れ」を感じさせる点において、一般ビジネス書とは一線を画している。 自動車やITなど、ともすると専門用語を聞くだけで読む気が失せてしまうような開発ストーリーも、優れた「素人の感覚」で、わかりやすく伝えようとしているのに好感を持った。「動物占い」や「アイボ」、「ユニクロ」、「牛角」など取り上げられた商品はどれも、だれもが一度は耳にしたことがあるようなヒット商品だが、中には取材当時とは状況が一変し、苦境に立たされているビジネスもある。単行本化するにあたり、取材の「その後」も丹念に追い、コメントが加えてある。今日の「勝者」が明日の「敗者」になってしまうようなビジネスの厳しい現状を思い知らされる。
次なる起死回生のヒットを狙うビジネスマンというよりは、一般消費者にこそ読んで欲しい。