本が「重要線」だらけに、なりました。
8段階での企業変革手順を紹介しています。
各段階での進め方、注意すること、トップやリーダの役割、成功のためのポイント、遭遇する問題点とその解決策、事例等が紹介されています。具体的に書かれていますし、翻訳も良いためか、かなり読みやすく、(専門書らしくなく)引き込まれていく本です。内容も、分量に比較し、ずっと濃かった印象です。1文1文がポイント、という感じで、重要線を引いていったら、チェックポイントだらけになりました。
この分野の入門書、参考書としても、実務書としても、十分使える本であると思います。もっと早く読んどきゃよかったよ。
マネジメントからリーダーシップへ
本書は、リーダーシップのグルであるコッター教授(ハーバード大学組織行動学教授)の変革に係る知見の粋を集めたものだ。教授は松下幸之助寄附講座の冠教授を冠していることにも代表されるように、日本のビジネスリーダーからも多くの信頼を集めているらしい。
「変革」の掛け声だけの経営者が多い日本の企業組織にあって、そのプロセスや戦略を明示する本書は、実際に変革を仕掛けようとする者にとって、力強い心の支えになると思われる。 本書では、大規模変革を推進するための8段階のプロセスを整理、体系化しており、変革のロードマップとして非常に有用である。変革は、「従業員が常に変化していかなければならないという意識を共有された段階」がゴールとなるだけに(終着がないとも換言できる)、長い時間を要する一大作業だ。その仮定は直線的に進まないだけに、迷路に迷い込まないためのロードマップは、主導する者にとって力強い心の支えになるだろう。
また、それぞれのステップに応じて、陥り易い罠や対処していくための方法論が提示されている。「変われ!」という経営者は数多見るが、「どうやって?」に答えられる経営者はまず見ない。本書は、プロセス中の各ステップにおける対処の方法論、陥り易い罠を示し、五里霧中に陥るリスクを軽減する。
具体例が豊富であり、納得感が得やすい。豊富な事例の提示とそこで培われた氏の知見とのバランスの良い構成は、理解を容易にする。
本書を通じても、組織が変わることがいかに困難であるかが容易に想像できる。しかし、「大変」、「難しい」と「できない」とは明らかに違う。その道程に一定の予見を抱かせる本書は、「大変だからできない」を「大変だけどチャレンジする」に足る知見が集積されている。意外とマイナーな一冊だが、喧伝される戦略論の書籍並みに多くの人に読まれても良い一冊だろう。