見当をつけるためのフレームワーク
ロジカルシンキング本のたぐいを読んでみたが、役に立たないと思っている人は多いはず。そんな人に本書をおすすめしたい。本書では著者の効率的な仕事のやり方として、情報整理や時間管理法の方法が書かれている。その方法の多くは、ちまたでロジカルシンキングと呼ばれるフレームワークを、日常的な仕事に当てはめたものだ。ロジックツリーやマトリクスといったお馴染みのツールを、日常業務レベルでどう活用できるのかを理解でき、明日からでも使ってみたいと思わせる内容だ。使えるなと思わせるもう1つの理由は、本書で紹介される方法は、著者が業務の中であみ出したものだからだろう。著者のメモ帳をまとめたような内容で、きれいに体系化されていない分、リアリティがある。
結局、「フレーワーク」というものは、見当をつけるためにあるのだと思う。この枠組みで情報を整理すれば、大抵の場合うまくいく、そういうものがフレームワークなのではないか。仕事で使えば、やることがたくさんある中で、何が大事なのかをすばやく、高い確率で選ぶことができる。そうすると仕事が速く、正確になる。優秀な人はこういうやり方をしているのだろう。本書はそういうやり方を教えてくれる。
たしかに外資系。はっきり言うと、コンサルティング系。
タイトルは外資の仕事術となっているが、コンサルティング系で活躍中の著者による業務効率化の本。コンサルティング会社で大手なのは外資系だからはずれではないが、このタイトルだと本書のよさがぼやけているような気がする。なぜなら、本書は、コンサルティングの手法を個人の仕事術に積極的に取り入れ、業務の効率を上げようとしているからだ。それゆえ、星4つ(タイトルが内容とずれていると本当に必要な人が買いそびれたりするおそれがあるのでマイナス1。内容的には、星5つだと思う)。 法定労働時間も減ってきているなかで国際競争力を落とさないためには、その質を高めるしかない。でないと、外資系だらけになってしまう恐れもある(よく言えば、みんなが外資系の仕事術を体得できる時代が来るかもしれない?)。集中力を高めたまま、「本当に重要な」仕事をこなし、その合間に気分転換代わりに雑務等をこなすという著者のやり方を本書で学べば、少なからず役に立つと思う。
本書は、序章でおおまかな著者の仕事術の方法論・思考法についてまとめてあり、各章でくわしく説明していくという形を取る。職業にかかわらず、役に立つ仕事術の本であると思う。各章の末尾にはまとめもあるので、時間のない人は、まず、序章と章末のまとめだけをささっと目を通し、最後のほうにのっている著者の「仕事の時間割」をながめるだけでも大体が分かるので役に立つと思う。
本書で、あしき「完ぺき主義」を廃し、優先順位付け、集中タイムとすきま時間を交互にうまく使い、6時までに仕事を終え、その後は飲んだり、人脈作り等に使うという著者の仕事術を学んで、自分の自由時間を作ろう。
外資系にこだわる方には、外資系のトップとして渡り歩かれている新将命さんの「誰にも文句をいわせないスーパー仕事術―今日からできる"能力開発」もお勧めです。
あと、本書には、情報整理法がほとんどのっていませんが、ファイリングなどについて詳しく知りたいという人には長崎 快宏さんの「「情報整理」プロの離れ業」がお勧めです。文書はもちろん、写真整理や、部屋の整理、家事分担がうまくいくための整理にまで触れてあり、一読する価値はあると思います。
素晴らしい一冊
KPMGコンサルティング(現ベアリングポイント)の社長が「いかに効率よく付加価値の高い仕事をこなすか」を実践的かつ具体的に示唆した書籍。戦略系コンサル出身者の本は、現実離れした浮遊した印象を受けるものが多いが、この本は現実感のある足の付いた実践的な内容が多い。それらのツールを筆者が自在に操っている姿がイメージできる程である。
内容的にはSoWhat/Why/How, PPMという戦略本にお馴染みの言葉から、100ページのプレゼンでも勝負チャートは3枚くらいという「百ミツの法則」や独自ひとひねりの「3軸」(時間軸、視点軸、アナロジー軸)が大きなところであるが、細かいアイディアも含まれ、実に盛り沢山。
筆者は「気分転換の一環」として、週末の10日間でこの本の原稿を書いたと言う。とうてい普通のスピードとは思えない。筆者が3倍速で仕事をしている証になると思う。買わないと損をするような気がする素晴らしい一冊。