問題の無い人間関係なんか無い
この作品、なんでミステリー文庫なんだろうか…。
真っ先に断っておくが、ミステリのミの字も無い。
むしろラブコメという紹介の方が的を得ているように思う。
だが、そんな括りで紹介して良い作品ではないのだ。男性よりも女性の方が読みやすいのではないだろうか。
コバルト文庫とか、その手の方向性を感じる。
まあ、要するにR15だよねと……。
人間関係に問題を抱える住人達が集まる不思議なマンション。
主人公である健一は自らもそのマンションの住人となったことで、
住人達と交流を深めていったり、あるいは新たな住人がやってきたりと、
展開そのものは割とよくある流れではある。
……が、話の重さがおかしい。
というかライトノベルでこれだけ重い話をポンポンとよくもまぁ…。
それほどに重めなテーマに取り組んだ意欲作とも言えるだろう。
今の社会において「問題がある」という見方をされる、
そんな恋愛関係を取り上げている作品は全体を見ても少数派だろう。
それをライトノベルでやろうというのだから、
是か非か、どちらかにしか転ばないぐらい極端な作品ではある。
で、私個人的には「アリ」だった。
一巻読み進める度に、住人達がどんどん愛しくなってしまうのは
まさにやられたとしか言いようが無い。
このレビューのタイトルは2巻以降からの引用だ。
まだこれを書いている時点では未完のシリーズではあるが、
是非ともシリーズを読破して頂きたい。
一冊読むごとに、少しだけ優しくなった自分に出会える……かもしれない。
す、すごすぎる
~信じられない。
これは本当にライトノベルか?
おそるべし、新井輝。ということでこの作品、主人公・健一の恋愛探求の物語ということになっているが……
確かに「恋愛」というものを突き詰めていくのならばその過程でこのような作品が出てくることは避けられないであろう。真に恋することとはどういうことか?この問いに答えるための一つの方法と~~してこの作品は存在している。しかしねぇ……
ハッキリ言おう。もしあなたがもう少し普通のラブコメを楽しみたいのなら、この作品は読むべきではない。本当だ。しかし!あなたが普通のラブコメなんかに飽き飽きしているのならばこの作品を読んでみることを勧める。
そしてこの作品を読み終わったあなたは、普通のラブコメを楽しめなくなる(と思う…)~~。
だがしかし!それ以上のおもしろさと衝撃を手に入れることができる(と思う…)。~