写真もいいが、地図をもう少し掲載してほしいな
本書は近年テレビニュースで扱われることの多いテロや紛争の背景にある現代史を分かりやすく解説してくれる。パート1同様に読者にフレンドリーな説明は、毎朝の新聞記事を身近にさせてくれるだろう。「過去」が分かれば「今」が分かるのはまさに本書の目的とするところであろう。内容のレベルは高校での現代社会や近現代史程度であるが、「POINT」や「現代史こぼれ話」などテーマの補足がつけられて読み応えある構成になっているのは評価できる。本書には最低限の地図と写真も添えられているのはいいのだが、中東問題の章にはもう少し歴史変遷を記した地図が欲しかった。これは池上の他の著作を買うことが望ましいのだろう。詳細な歴史地図は本書のような現代史を理解するのに絶対に必要であろう。とにかく入り組んだ国際社会の背景を読み解くためには、一つ一つの基本的な知識は必要であろう。本書だけでは複雑な今日を理解するのには不十分であるかもしれないが、その理解の第一歩にはなるだろう。しかし、この一歩は、そのような国際社会に我々日本人がどのように関与しているのか、という大きな問いの一歩となるだろうと思います。