彼は哲人バットマン!
「哲人バットマン」
読後の感想を端的に言うと、
彼をそう呼びたくなってしまう本。
言葉のひとつひとつが平易なだけに、それが胸に響く。スポーツ選手に限らず一流の人間なら、自分を客観的に観察できる
「視点」を持っているものだが、イチローの場合は、
それが誰にも増して冷徹で叡智にあふれ澄んでいるように感じた。
そしてまた、彼の投じるレーザービームのように、
音楽を生業としている私の心に突き刺さった言葉があったので、
以下に紹介する。
「プレイを見ている側が何かを推測する、考える、
感じとろうとする・・・・・・
見ている人とは、そういう、長く、強いつながりを持ちたい。」
驚いたことに、ブラウン管の向こうにいる数多の野球ファンとの絆を、
彼はこれほどまでに大切に思っているのだ。
それは、自分の作品を支持してくれるファンをおもんばかる
アーティストの心情と重なるものがある。
その他にも示唆に富んだ言葉がそこかしこにあふれた1冊。
何かを求めている人にはピンと来る本だろう。
ふむふむ。
「イチローならこのぐらいのことを考えていて当然!」という先入観があったためか、
お~~~すげ~~~~!という感動はありませんでしたが、面白い本です。
何事もきちんきちんと回を重ねることが重要だと、改めて思いました。
イチローさんが今日に至るまで、何回ボールを投げて、バットを握ってきたことでしょう。
地味なことを疎かにしないで、ひとつひとつ消化していくことから
新しいものが生まれてくるんだろうと思います。
それは会社勤めをしている自分に置き換えても同じだと思います。
イチローさんが「宿題は嫌だけれども、それをなんとしてでも全部やる訓練を
幼いうちからやっておくように」と言っていたのが印象的でした。それから、自分より30歳近く年の若い人を素直に尊敬して、
愛情をもって話を聞きだそうとする糸井重里さんも、
すごい人だなぁと思いました。