よくまとまった本だと思います
全体的に分かりやすく、よくまとまった本だと思います。悪く言えばこじんまりとしていて、グーグルという企業をよく見せたいだけのようにも感じます。グーグルという会社の基本的なスペックはよく分かります。いついつにできて、誰がどうして、どんなことをしてきたのかということです。
ただ、発展の「なぜ」とか、「今後の方向性」に関する記述が弱すぎて、「ここが知りたかったのに」という欲求は満たしてくれませんでした。
見出しは魅力的ですが、中身はありません。
見出しは魅力的なのですが、残念ながら内容は極めて薄っぺらいものです。私は海外在住のIT企業の経営分析に詳しい者ですが、わざわざ日本からこの本を取り寄せて失望しました。正直言ってこの本の著者たちが、企業分析の基本を理解しているかどうかはなはだ疑問です。単にグーグルが話題になっているから便乗して売れそうなタイトルで本を出版してみたという印象さえうけます。基本的な部分で、欠落していると思われるのは以下のポイントです。
(1)まず大前提としてグーグルがホームページ上で開示しているIR情報にきちんと目を通していない。業績等の数字をおさえながら収益構造と成長性くらいはちゃんと分析して欲しいものです。上場前の段階からIRページはありました。アナリスト向けのイベントもウェブ上で中継されます。
(2)米証券取引委員会に提出している10Kや10Qといったいわゆる有価証券報告書はインターネットで簡単に手に入ります。非常に詳細な情報が載っています。「目論見書を読んでください」と著者たちは日本法人の人に言われたようですが、本当にじっくりと目を通したのでしょうか。
(3)欧米の投資銀行のアナリストリポートも読むべきです。コンタクトすればすぐに電子メールに添付して送ってもらえます。
(4)最大の問題点は、企業本を書くのに一次情報ソースである米法人幹部に全く取材していないことにあります。日本法人の幹部にだけでは欧米企業の全体像を正確に語れません。
(5)注釈がほとんどありません。それが何を意味するのかというとグーグルに関して書かれている多数の記事にしっかりと目を通していないということです。ほとんどの記事はファクティバやレクシスネクシスなどのデータベースで検索して簡単に見つかるものです。最低限、ビジネスウィークやウォールストリートジャーナルのサイトで過去記事をチェックするとか、ヤフーの英語のニュースで検索するということをすべきです。
(6)構成にも難があります。まず後半部分は少ない一次情報をもとに分析を進め、その結果として抽象的な言葉ばかりが踊っている。さらに前半についても、他の方も指摘していましたが、日本法人で働く人の様子だけを見てグーグルのカルチャーを語るのは無理があります。