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装丁を中心に仕事をされている祖父江慎さんが監修ということで、凄い内容を期待して買いました。 編集方針がいままでの書体見本帳と大きく違い(漢字と両がなを分けてあったり、書体の細部までわかるように作られていたり)、精興社や凸版や大日本印刷(旧秀英社)の書体まで載っていたりします。 (写研が載っていないのが残念です) この独特の編集方針は、いままでの書体見本帳に満足できなかった方には興味深いと思います。 ただ、組見本が14級とキャプション用とで組まれており、書籍本文で多用される9pt〜13級より大きくて感覚がつかみづらいのと、文章が短くて実際に組んだらどんな感じになるか、いまいち伝わりません。 それに、本のほとんどが無味乾燥なカタログです。 後ろの方にコラム的な内容もありますが。 1000ページ強ある、辞書みたいな本です。 判型もA5?ぐらいで、もっと大きくてもいいのに。 検索性はもちろんいいのですが、ページ数が多すぎて見づらいです。 実際のところ、良質な書体を出しているメーカーはだいたい決まっているし、それらの書体を中心に掲載した内容で十分、さらに本が薄くなって検索性もよくなる、のですが、書体見本帳を作る場合には、各メーカーに配慮しなきゃいけないのか、そういう見本帳はまだ見たことがありません。 「基本書体編」と銘打っているのだから、明朝と角ゴシックだけでよかったかと。 どうせなら函入りにして、書体の系統ごとに分冊でもよかった。 そして、各書体の特徴や優れている点、開発のコンセプトや書体史的な位置づけなどが書いてあるような、和文書体の見本帳こそが求められていると思います。 欧文書体の方は研究も進んでいるのに。 やっぱり、使い勝手のいい見本帳というのは、いまも昔も、自分でフォントを買って自製するしかないでしょう。 でも買うためには見本帳がなければならず……。 難しいところです。 本当にいい和文書体見本帳を作ってくれるなら、1冊数万円出しても買います。