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本著は、セールスフォースのサービス利用者である企業、団体へインタビューすること によって、セールスフォース社を浮き彫りにしようと試みている。サービス利用者は、そ れぞれが抱えた問題(用件定義が定まらない、納期が短い、システム専従者不在等)を解 決するため、セールスフォースを利用するに至った。それぞれ、利用するに至るまでの過 程は様々だが、「何故、自前のデータセンターではなくクラウドを選択するのか?」につ いて考えるヒントを与えてくれる。 サービス利用者へのインタビューが終わり、これからセールスフォース社への取材内容 が書かれているのかと思ったら、肝心要のセールスフォース社へのインタビュー内容は希 薄であり、欲求不満に陥る。セールスフォース社へ取材したのかすら怪しい。 だが、今後のシステム調達・構築について、セールスフォース社の解説を通してまとめ たのは本著の良いところだ。 「セールスフォース社の概要について知りたいけど、セールスフォース社の営業を呼ぶ までではない」という管理職にうってつけの本。セールスフォース社の詳細な技術・シス テムを知りたいというシステム担当者や SIer にはお勧めしない。
クラウド・コンピューティングとは何か?! 言葉の意味ではなく具体的な九つの事例から解きほぐしている。 各企業や団体の導入に至る経緯や導入後の”生”の声を読み進むうち クラウドの位置づけが見えてくる。 1999年にアメリカで創業し2000年に日本進出を果たしたセールスフォース社。 すでに世界で6万社の顧客を持つという。 筆者はこのセールスフォース社をクラウドの分野で最も成功した企業のひとつとしてとらえ 後半は同社の生い立ちから未来の戦略にいたるまで解説している。 筆者いわく ”クラウドとは何かの技術を示したものではなく、様々なビジネスが立ち上がりつつある「現象」を示す言葉である。” 重要なのは「技術」が「ビジネス」というステージに上がり評価されるということだ。 この書籍はクラウドを絶賛するものではない。 現象として客観的にとらえ同時に課題も明確に指摘している。 何のためにクラウドを利用するのか、その指針となる一冊である。