1931年、ニューベリー賞受賞作品なんだけれど...
昔々、遥か遠い日本に、食べるにもこと欠く貧しい、若い画家がおりました。ある日ばあやは、客人を迎えることも出来ない寂しい生活の慰めに、三毛猫を連れ帰ります。 「幸」と名付けられたこの猫は大層おとなしく、人間の言葉を聞き分けているかのように利口でした。さて画家は寺の住職から、寺に飾る仏陀入寂の絵の依頼を受けます。彼は仏陀の一生を3日間瞑想し、描きます。続いて仏陀との別れに集まった動物たちが、どうして仏の慈悲を受けられるのか、ひとつひとつその善行を心に思い浮かべながら描き続けました。 「幸」は一つが描き上がる毎にじっと眺め入り、画家は 「幸」の賞賛を感じていました。画家はこの絵の中に「幸」も描き加えて喜ばせてやりたいと思うようになり、悩みます。なぜなら猫は仏の慈悲を受けられなかった動物なので、この絵に 「幸」を描くことは出来ないのです... 1931年、ニューベリー賞受賞作品です。表紙・挿絵はその当時のものでしょうか?なんとも異国情緒たっぷりで、到底日本ではありません。1930年代のアメリカ人が日本をどのように捉えていたのか、彼等の理解程度に興味があったら読んでみて下さい。