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東京大学「ノイズ文化論」講義

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東京大学「ノイズ文化論」講義の商品レビュー

4.0 ヒルズ族はおたく的手法を普通に身につけた世間様
  ピテカンとおたくをヒエラルキーの頂上と底辺に置いた前著に対し、岡田斗司夫をゲストに迎えた本著では、「天皇」と「被差別部落」、「聖」と「穢」、「表裏一体」、つまり「ほぼ同じだった」ってな捉え方をしている。確かに世間様にとっては、天皇も被差別部落も生活レベルではほとんど関係なかったかもしんないなぁ、ってのはある。僕個人は80年代、ピテカン(ってよりはテクノ、ニューウェーヴ的なもの)をかっこいいって思ってたけど、大部分の人達は実は全くヒエラルキー的には考えていなくって、ピテカンもおたくも、ちょっと変わった、自分たちには関係ない人達って思ってたはず。ピテカン、おたくっていう表面的な事象については、世間様はほとんど興味を持っていなかったけど、ピテカン=アート、おたく=情報処理って規定した場合、その手法としての影響力が、80年代から90年代の間にピテカン的なものからおたく的なものに移行した、ってことなんだろう。ピテカンからおたくへの段階的移行のターニングポイントとして1985年と1995年ってのは確かにあった。ヒルズ族をおたくと規定する宮沢に対し、岡田は「友達の匂いがしない」って答えてるんだけど、ヒルズ族は純粋おたくじゃなくって、おたく(情報処理)的手法を普通に身につけた(優秀な)世間様ってことだよね。もうひとつは「かっこいい」とか「見栄」とか大きい括りの中の競争じゃなくて「横にいる人なんかどうでもいい」っていう感覚。別の言葉遊びで言えば、ピテカン=タテの差別化、ヒエラルキーに対し、おたく=横の区分、カテゴリーって世界観。
 しかし、昔を語るのは楽しいけど、今を語るのは苦しいね。読書の楽しみとしてはどうしても前著に軍配が上がる。ピテカンもおたくも、当時の(世間様の)感覚では「ノイズ」でしか無かったわけだけど。ゲストが岡田→大塚、原→東or北田だったらもっと盛り上がったな。

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