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つくりが既存の見本帳を踏襲していて、広告やウェブならまだしも、エディトリアルではまったく使い物になりません。フォントの見分け方講座も、冒頭数ページしかありません。過去の書体見本帳と同じ轍を踏んでいます。長文を組んだとき、どんな雰囲気になるか、まったくイメージできません。使いやすい見本帳は、フォントを買って、自作するしかないでしょう。
国内で購入できるデジタルフォントを網羅した見本帳がさらに充実しました。細かな見直しが行われており、フォントを扱うあらゆる場面で「使える」内容に仕上がっているように思います。私は、下記の3つのポイントでお勧めします。 1つめは、検索性、探しやすさです。プロの現場では同じメーカーの中から探して、それよりもっと違いを出したい場合に他のメーカーを見るということが一般的ではないでしょうか。使うシーンに沿ったメーカー別の分類が自然で分かりやすいと思います。巻末の書体分類別索引で書体の分類別の検索にも対応しています。 2つめは、網羅性、収録数の多さです。編集方針が「日本国内で購入できるフォントをほぼ網羅した書体見本帳」なので当然フォントが満載です。さらに発売予定の新書体まで掲載されていて書体数では右に出るもはないのではないでしょうか。 3つめは、判別性、書体が見分けやすいということです。タイプデザイナーの竹下直幸氏による巻頭特集「利き文字のすすめ」では、レクチャーとして書体の分類や見分け方が簡潔に説明されておりとても参考になる内容です。そして、メインページでは組み見本の見直しにより、これまでよりも書体の特徴がつかみやすい形になっています。書体が見分けやすいこと、これがこの版の最大のポイントかもしれません。 その他、机の上に置きやすい落ち着きのある装丁、分かりやすくまとめられた製品情報と入手方法、多彩なコラム……等々。シンプルですが必要な要素がそつなくまとめられていて、文字を扱う全ての人にお勧めできる1冊だと思います。 あなたも、フォントを使いこなしてライバルに差をつけてみませんか。