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地域通貨と地域自治 (地方自治土曜講座ブックレット)の商品レビュー 地域再生の自治体理論の構築のために
2002年6月15日の講義記録に基づく本書『地域通貨と地域自治』は、前著『地域通貨を知ろう』と内容的にはほとんど変化はない。但し著者による、地域通貨とは従来の経済学では「扱ってこなかった」(より正確にいえば)「扱えなかった」対象であるという問題意識は示唆的だ(5頁)。資本主義社会の純粋に「経済」システムとしての側面に限定し、また貨幣や市場を考察対象としてきたもののその理解は必ずしも十分ではなかった。地域通貨の本来的な魅力は、それが文化的・倫理的なコミュニケーション・メディアとして機能する面であると著者は繰り返し強調する。すなわち、「関係構築的」・「水平関係的」・「言語的」な「お金でない側面」がより尊重されるべきである。希薄になった人々のつながりを回復しつつ、新たな地域社会の創出を担う独自の情報媒体こそ地域通貨であり、それは「自由」や「自治」、そして「信頼」という理念を基盤とする。国家通貨はたしかに強力な存在であるが、環境変化に伴って地域通貨が大きく繁栄する可能性があるという意味での地域通貨に秘められた「潜在性」も看過されてはならない。また複数の地域通貨に参加・帰属することで各個人のアイデンティティーがより明瞭に映し出されるのであって、その多様性や多層性という諸相も将来ビジョンを形成するうえで重要となる。いうまでもなく「お金である側面」も重要だが、こうした一見すると両義的な様相を呈した部分こそ地域通貨の特性であり、それによってロバストで柔軟性に富んだシステムを形成し得るのではないか。グローバル資本主義が惹起したさまざまな負の側面を克服すべく、「お金の問題」を再考する必要性があるという著者の研究プログラムは見事に時代の流れにマッチしている。著者自身が時代の潮流を「読む」能力に富んでいるのだ。他にも興味を惹く内容があるが字数制限ゆえ割愛する。多くの方に是非とも読んで頂きたい。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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