知的障害者だからこそ周囲のサポートが必要
前作「障害者が恋愛と性を語りはじめた」において身体障害者の恋愛と性を語ったのに続いて、今回は知的障害者の恋愛と性に焦点が当てられている。障害者が抱く恋愛や性について記述するのみでなく、テレビドラマやAV、セックス・ケアなど障害者の恋愛に関わってくる諸問題も扱っており、障害者の恋愛と性は障害者やその家族だけの問題に留まらない、社会的な問題でもあることを提起している。すでに障害者のみの問題ではなく、現代社会の抱える恋愛や性についての問題への課題提起となっている。
他にも女性障害者についての章も非常に参考になった。「知的障害」であり「女性」であることで二重の「ハンディキャップ」を背負わされてしまっているのだ。これは加算でなく乗算となっているのだ。
恋愛や性は人間にとって根元的な欲求であり、自己実現への大きな階梯である。
たしかに、これまでは知的障害があることが恋愛への大きな障害とされてしまっていたことは確かだろう。しかし、知的な発達遅滞があるということと恋愛感情を抱くことは別問題だろう。否、自分の感情を理解しきれない彼らにこそ周囲が暖かくサポートしていく必要があるのではないか。
この書を読んでこのような思いを抱いた。