教養として土地と価格の話をしる格好の書
東京都心では土地の値段が上がっているという。
そして、東京都心では様々な再開発が行われている。とはいえ、都市計画の教科書をみれば、区画整理や市街地再開発のような都市計画事業においては、開発利益で工事代金を支払うわけだから、再開発をすれば「絶対」に土地の価値は「上がる」、いや「上げる」ことになっているのだ。
鑑定士だって、その再開発の内容をしっかり将来にわたっての可能性や工事する前の環境などをチェックしているわけじゃない。慣例にのっとり、再開発前よりも再開発後の評価を自動的に上げているだけ。評価があがれば、価格もあがる。
結局、鑑定士が「地価公示」という国土庁系列の公共事業で養われているところに問題があるのだろう。本当は、自分の力で判断したい人だって居るだろう。プライドがあれば。
でも、みんな、「えっ、そんなに低いの? あなたの鑑定おかしいんじゃないの? 来年は別の人に頼もうかな~」といわれたくないから、右に同じく、評価をしているだけ。
この本は、本当にこれで、自らの資産は守られるのだろうかと真剣に悩ませてくれる本。
欧米では、周りの環境や景観、そういったものの価値まで含んで、土地の評価がされている。日本は、そうじゃない、未だに開発一辺倒。
この本で想ったのは、会計業界みたいに「地価公示の国際標準」にあわせろと外圧かなんかでいわれて、「はい、そうですか」、となったときに、今の土地の値段は何処まで下がるのだろうか。また特に人口減少時代に入って、土地があまり出したとき、どうするのだろう。
本当に不動産鑑定士制度は、我々の財産を守ろうとしてくれているのかと不安になるけど、一国民にはどうしようもできないわけです。
補足です
本件の補足です。公的地価は、分科会と呼ばれる地域の鑑定士がお上(国土交通省)の指示に従った「あるべき」価格に収斂させるため、年に2回も各4ヶ月程度をくだらない議論に投入して決定されます。
ですから、価格誘導がなされているため、市場価値を反映していません。