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ケルト音楽に興味があり、それらの理解の助けになるのかなあ、という軽い興味から、筆者が書かれた前作『スコットランド「ケルト」紀行―ヘブリディーズ諸島を歩く』読み進めたわけですが、本当に興味深いお話が続き、関心が深まりましたので、本書も手に取りました。 日本人にとって「北アイルランド」というと紛争のイメージしかわきません。物騒な地域と言う先入観がぬぐえなかったのですが、「ケルト文化」の探求には、はずせない地域でもあるというのが本書によって理解できました。 北アイルランドの「アルスター」地域を訪れた日本人はそんなに多くないと思います。 いわば未知の領域ですので、本書のような紀行作品がとても重要な意味を持つのは語るまでもないことです。 筆者自身が撮られた多くの「ケルト」に関する写真は大変珍しく貴重なものでした。新聞記者として長いキャリアを積んでこられただけあって、分かりやすい文章が、門外漢には助かりました。 北アイルランドの人々と筆者の交流を読むに連れ、筆者のフレンドリーな性格がまたその土地の方の心を開いたわけで、とても温かい気持ちが伝わってきました。 プロテスタントとカトリックという宗教の違いと政治の対立を思うと「ケルト文化」の探求だけでなく、その文化の上に成りたっている北アイルランドの歴史の奥深さと現代のそれぞれの地域が抱えている問題がリンクするのも当然だと思いました。