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“まっすぐに歩いてきたはずだったのに、振り返って確認すると、直線だと思っていた道は、ゆるやかなカーブだった”(著者あとがきより) そうたとえられている、さまざまな女性たちの心情を切り取った作品。 たった2-3ページにすぎないそれぞれの話が、まるで自分の体験のように響くのは、著者自身がいくつもの“ゆるいカーブ”を過ぎてきたからかもしれない。 処女短歌集「ハッピーアイスクリーム」で多くの祝福の中にデビューした旭川の高校生が、上京して大学に通い、文筆活動をつづけ、いくつかの(かどうかわからないが)仕事をし、恋をして、結婚をして……その中でいくつもの“ゆるいカーブ”を過ぎてきたことだろう。 天才短歌少女の道は、まっすぐだったのか。まっすぐだったはずが、曲がっていたこともあるだろう。その逆もまた然り。 しかし。 “たくさんのゆるいカーブを過ぎたあとに見える景色が、美しいものであるように” 読者にそう願う著者の目には、きっと美しい景色が見えているのだろう。この本を見てそれを実感してほしい。 各話のしめくくりの短歌(5/7/5/7/7)のリズムが、あるときは心地よく、あるときは切なくストーリーを心の中に広げていく。著者の短歌はかんたんに詠めそうで詠めないものであるが、微妙に定型をはずれていたりするのに口に出してみると意外にもすんなり読めたりと、初期の歌とまた違った印象があった。これも“ゆるいカーブ”を経ての変化かもしれない。
30篇のショートストーリーとそれに関する短歌が載っています。 人生の「ゆるいカーブ」にさしかかった30人のショートストーリーの主人公。 それぞれ、恋愛や仕事や友情などに悩みながらも真剣に生きていく姿に好感が 持てます。 特に女性の心理が生々しいくらいリアルに描写されているので、女性の気持ちを 知りたい男性にもお薦めです。
30篇ある中で私が心に残ったものは、最後の「よく晴れた日に」でした。 会社を休んだ主人公のために平日なのにも関わらず仲間が集まってくれて、みんなで海にドライブに行った、というお話です。 これを読むと、自分が落ち込んで寂しさを感じる時も、友達は絶対支えになってくれるなあって実感できます。友達って最高じゃん!みたいに。 この短歌がまたステキでした。 「忘れない景色がいくつもあるうちは うまく笑えるような気がする」 何か心が温かくなる、そんな気分にさせてくれました。 おすすめの一冊です。