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刑務所の中

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刑務所の中の解説

刑務所の中って一体どうなっているのだろう。
独房の構造は、クサい飯とは、実際どんなものなのか。トイレはどうしているのか。看守は? 囚人同士の関係は?

現役漫画家である著者が、記憶をたよりに細密な絵で描く『刑務所の中』は、そんな単なるヤジ馬的好奇心を満たしてくれるばかりではなく、狭い閉ざされた空間でヒトはいったい何を思い、どんなことに楽しみを見出して過ごそうとするものなのか(「マーガリンつきのパン食」のエピソードは必見)、しみじみと教えてくれる秀作である。

巻頭にはマンガ評論家の阿部幸弘らとの対談を収録。著者が3年の懲役を受けるに至った経緯が、自戒の念を込めて語られている。あとがきでは呉智英が著者の才能が潰れることがないようにと念じながら獄中の著者と手紙のやり取りをしていたエピソードを披露している。

獄中の著者が「一日が過ぎるのがものすごく早い」と独白しているが、四六時中監視されながら複数の人間が閉じ込められている「緊迫」と、生活のすべてが看守の号令のもと受身に過ぎていく「弛緩」に、読んでいるほうもあっという間に引きずりこまれて、しばらく抜け出せなくなるのでご用心あれ。(福山紫乃)

刑務所の中の商品レビュー

5.0 カスタマーレビュー
土着的な幻想譚を書かせたら一流の氏だが、
今作は花輪自身が刑務所に留置された経験を元に描いている。
内容は、圧巻の一言。
拘留というテーマをここまでメッセージ性無く描けるのは、
社会性なんかに依拠しなくても一流の作品を描けるという、彼の引き出しの多さを感じさせる。
刑務所の中における細部の様々の詳細な再現、
細かい感情の機微、季節の移ろい、圧倒的な画力。
刑務所という無味乾燥な画も、彼が描けば
土着感と光の煌めきと空間的な広がりに満ちた異空間になる。
このような漫画を描ける人はそうは多くないだろう。
漫画読んでリラックスしたい人にもオススメ。
4.0 勉強になりました
犯罪の多い、今の世の中 塀の中はどうなっているのかなと思い、興味を持って読ませていただきました。一般の人には関係ないようですが、やはり小さな社会を形成していました。兵の中ならではの出来事も多いようです。女子も同じような状態なのでしょうか?女性版も読んでみたいです。
5.0 ホームレスになるよりよっぽどヘルシー!
 なんか暗い話なんだろな〜、と覚悟して読み始めたら、予想外に明るい展開!元々の作者の罪状が銃刀法違反というまあ被害者の無い罪なので、悔悛の情や後悔の念と言った風情から無縁なのがその明るさの根拠なのかも知れない。しかし拘置所→刑務所生活をかくも健康的に描かれたのでは、昨今のホムレスや生活保護をカットされた人達や、場合によってはワーキングプア達でさえも、意図的に犯罪を犯してまでも塀の中の暮らしに生きる術を求める向きが、或いは既に生じているのでは無いかと、本書を読んで心配になった。
 生活苦で自殺しようかと思ってる人!是非本書を読みなさい。幸せに生きていく道はまだありますよ!
 ただ途中、囚人が数人で人を殺した時の経験談を聊かの後悔も無く語る場面はさすがに背筋に冷たいものを感じた。これが現実なんだよなあ(−−;)
5.0 刑務所生活の切実な現実
 刑務所ものというと,どうも際物が少なくないような気がする。ベタベタな笑いないし涙頂戴もののエピソードの羅列とか。
 その点,本書は違う。淡々と過ぎ行く刑務所内の日常生活を,淡々と描いている。
 変化の少ない刑務所生活で唯一の楽しみは食事。したがって,食に関する事柄が詳細に描かれているのは,むしろ当然のことであろう。
 平成9年6月16日の昼食−−マーガリン付きのパン,甘い香りを食堂内に充満させるサラダ(フルーツカクテル),甘い甘い小倉小豆,脳みそが真っ白になるくらいおいしい牛乳。殊に,マーガリンと小豆をグチャグチャに混ぜてパンに挟んだものは,見つかれば仮釈放が取り消されるというリスクを犯してでも盗み食いする奴が出てくる。筆者はその姿を見て,「しかしまあ・・・その味には大の男も勝てまいて」と納得する。それほどの味なのだろうか・・・気になるところである。

5.0 刑務所で暮らそう?
マンガ家の花輪和一はモデルガン好きが高じて、銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反で懲役3年に。
その時の実体験を元に描かれたのが本書。
さて、みんなが気になる「刑務所の中」の本当の生活とは・・・?

「刑務所の中」を題材とした映画や小説、漫画は数多くあります。しかし、これらの作品が刑務所生活のシリアスな面を多く描いているのとは正反対に、花輪和一は刑務所での日々をユル〜く描いています。

真っ昼間からの入浴の快適さ。
同じ部屋の囚人たちとの、なんとも平和なやりとり(大麻や覚せい剤の話もしてますが雰囲気は小学生の会話)。
シーツやパジャマをきれいにたたむコツ。
作者が描く刑務所生活は、これまでに見たことのないほどホンワカしてて、それでいて(それだからこそ)とびきりのリアルさを感じられるものなのです。

そして、本書最大の見所はなんといっても「刑務所の献立」。
多くの人の予想をはるかに超えて、そのメニューは美味しそうでたまりません。作者も実際に同じように感じていたのでしょう。刑務所の食事に関する思い入れの強さは本書の端々からしのばれます。(見開き2ページに7日分の朝・昼・晩の献立をイラスト付きで紹介している!!)

作品中には、ビーフンスープやカレー、正月のおせち料理など、囚人たちの心を支える料理が目白押し。
僕はこのマンガを読んで、「もし刑務所に入ることになっても、食べる楽しみだけはある」と安心することができました。
あなたも心の準備用にぜひ、ご一読してみては?

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