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国家と神とマルクス―「自由主義的保守主義者」かく語りき

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国家と神とマルクス―「自由主義的保守主義者」かく語りきの商品レビュー

5.0 国策捜査の怖さ
私は本書を50%程度しか理解出来なかったが、国策捜査があるということ、そしてその恐ろしさを学ぶことが出来た。

あえて、残念なのは、表に出ていない外務省の腐敗、汚職が書かれていなかったことである。そこの所は、佐藤氏は裁判で外務省官僚に口裏合わせされないように、彼らの腐敗ぶりは事細かには書かないと明記してあるが。。。
5.0 哲学や神学は役に立つ
著者は本書でではなぜ自分の内に神とマルクスが共存しているか明かし、そして北畠親房の『神皇正統記』こそ日本が進むべき道のヒントだと意外な結論を下す。

ところで哲学や神学といえば実生活では無用なものの代表のように言われるが、本書を読むとこれらが欧米の政治家や知識人と渡り合うさいには重要な武器になることがわかる。
5.0 わが国の国体の本質
本書は雑誌に掲載された叙述・対談を編集したものであるからややまとまりに欠けているのは否めない
ただだからといって示唆に欠けるものであるかといえばさにあらず

たとえばわが国の国体は権威と権力を分離することによって成立していると捉え、米国のように権威と権力を統一してしまうと究極的には大衆迎合主義(ポピュリズム)にならざるを得ないという著者の主張は正鵠を得ている

もはや言うまでもないと思うが、著者は驚くべき慧眼の持ち主である
本書に掲載されているライブドア事件や安田事件についての著者のフェアな見解は目を見張るものがあり、何よりも興味深く面白い
はっきりいうが、著者の評論の公平性を思うとき、現在テレビ等で溢れている偏狭的評論家たちにはあきれてものがいえなくなる

著者の処女作である「国家の罠」に比するとたしかにやや質が落ちるかもしれないが、それでも最高傑作ではないけれども傑作には違いないというレベルであると私は思う
ぜひ多くの方に一読をお薦めする
5.0 ますます冴える知的思索する佐藤思想
ますます佐藤氏の冴え渡る知性の活動が分かります。
基本的な態度は「自分で考える」ことであり、「順応気構え」を脱することだと。そして思考する活字メディアの重要性を説きます。
今回の書は色々なところで書かれた内容やインタビューをまとめたようですが、実に流れるように佐藤さんの考え方や捉え方が綴られている。
活字メディアの重要性として、映像、音声、文字の複合媒体であるテレビは人間の思考を停止させる機能がある。それに対して、活字は、それを読んでから頭にイメージを浮かぶまで、若干の時間差がある。この時間差を強要するという活字メディアの性質が、読者に思考するすることを強要すると指摘する。そして市場原理主義とこの活字メディアは相性が良くないと。
また、佐藤氏は基本的には護憲、天皇制保持の保守なのだが、右でも左でもない立ち居地でのモノの見方が出来る。哲学が「知を愛すること」であるのに対し、思想は人間の生き死にの原理となる武器だと思うと言う。そして活字を通じ、思想を復活する作業に従事したいとも。
また、面白いと思ったのは。佐藤さんの現状分析で、日本の社会民主主義が下品になるのは、政府によって富を再分配するのではなく、公共事業つまり土木工事や建設業を政治家が自己の選挙区に引っ張ってくることで結果として公平配分が担保されるからです。これは文化です。もっと言うならば、国民がこのような下品さをもっているからです。しかし、下品でも、他者に危害を加えないならば、それでいいのです。と書く。
蓑田胸喜の思想に関しても、以前自分も佐藤さんが大川周明に関する本で書かれたことと、立花隆氏「天皇の東大」の中の評価と違うことに佐藤氏も言及していた。すこし嬉しい。
5.0 佐藤氏の思想の根幹をなすものについて
「国家」三部作や「獄中記」などを通じて佐藤優氏という著者に、いかにしてそのような硬派な思想に辿り着いたのかという水脈を辿ることを可能とする一冊。

もちろん「国策捜査」という一件に尽きるのですが、それだけではなく獄中での「読書」が見事に花開かせたということを、読んだ本の紹介を通して惜しげもなく披露している。そしてその豊かな読書経験に裏打ちされた「絶対的なものはある、ただしそれは複数ある」という信念が、実は信仰心よりも著者の中でうえではないかということが言外に滲んでいて楽しい。

ひたすら無料での書店での講演会しかうけないというくだりに書物に対する愛情は、まさに感謝の念のなせるみわざなのだろう。

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