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異議あり!生命・環境倫理学

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異議あり!生命・環境倫理学の商品レビュー

1.0 本書のほうが異議の余地ありすぎ
 突っ込み所は満載の本なので、「応用倫理学の脱構築」という著者の意図を逆手に取って、著者の主張自体を脱構築してみるほうが興味深い企てになりそうです。
 何より、著者が「徹底的な議論を進める哲学的な探究」を標榜していながら、自身の拠って立つ前提には恐ろしいほど無自覚なのが大問題です。その意味で本書の議論を「哲学的」というのはお世辞にもなりません。
 たとえば「自己決定」にはほとんど原理主義的なやり方で支持を与えています。遅れて「ポストモダン」思想にはまったという著者なのに、「決定する自己」のほうが実は歴史・文化・社会的条件によって大幅に決定されていて、「自由に決定している」なんて安易には言いがたい、という視点に至らないのは悪い冗談とさえ思えます(評者自身はこの種の考え方を支持していませんけど)。
 テクノロジーの進展を前提、無条件の是として受け入れる立場、「欲求を持つ人がいるならその欲求を満たすのがよい」といわんばかりの安易な功利主義、長期的な悪影響への懸念を「滑り坂理論」の一言で切って捨てる暴論、多くの倫理学説は平然と切り捨てておきながら「自然主義的誤り」の原理だけは何の問いにも付すことなく錦の御旗として掲げる姿勢…著者がほんとうに哲学的に考える人だとしたら、何よりこうした前提自体を反省するところから始めるはずです。
 「人間中心主義批判」のごく表面的な理解、断片的な情報を都合良く継ぎ合わせた環境保護運動批判(最近のあるベストセラーを連想させる)、「陰謀説」への傾斜など、議論のレベルも全般に低い。
 「応用倫理学に対する皮相な反応はこのようなもの」と知るうえでは役立つかもしれませんが、本書の価値はそこまでです。
2.0 パーソン論のところで・・・・・
生命倫理についての部分を読みました。
全体的に著者の主張がよくわからない内容になっています。
『〜ではないだろうか。』という終わり方で断言していない。

また、マイケル・トゥーリーのパーソン論を少し引用して人格について書かれていますが、岡本先生は少しパーソン論の解釈を間違えていらっしゃるのではないでしょうか。
パーソン論についてはピーター・シンガーの「実践の倫理」を参照されることをおすすめします。
生命倫理の本をあまり読んでいない人には、あまりおすすめできない気がします。
こういう意見もあるのだなぁと感じますね。
4.0 門外漢に分かりやすい
倫理・哲学の本と言えば、有名な学者の解説本ぐらいしか読んだ事がな
かった(そういう本ばかり目立つのも事実だが)が、そういう本は誰が
どう言っているかの解説で、何を明らかにしたいのか具体的に何をどう
するのか、どうすべきかが分からず辟易していた。

その点、この本は対象となるものが明確で、素人には読みやすいと思う。
専門書と言うより、論点集としての入門書の位置付けであり、門外漢の
興味を引くための努力が伺える。

4.0 まぁ…
言いたいことはなんとなく分からなくもないが、本人の主張がいまいちパっとしない。
が、さまざまな書籍からの引用は、この分野に関して度素人な自分には非常に勉強になった。
この分野に関して入門にはよいのではないだろうか。
ただ、肯定した書籍も併せて読むことをお勧めします。
3.0 倫理学を「お説教」から解放するには?
著者は、従来の生命倫理学を徹底的に批判する。例えば生命倫理学の領域では、脳死患者からの臓器移植が議論されてきた。そしてわが国では、本人が生前に行った自己決定(+家族の同意)にもとづき、移植が認められている。しかし現在の制度は、「「臓器不足」という現状」(81頁)にうまく対処できていない。著者はこの原因を、臓器を売買するという自己決定が制限されている──それゆえに臓器移植における自己決定は、実のところ条件付の自己決定である──ことにその原因を見る。そして生命倫理学が、「命のリレー」といった「幻想的な表現」(75頁)、ないしは「献身の倫理」という「単なる「お説教」かファシズム的な「強制」」(74頁)によって臓器売買の自己決定を制限しようとする限り、著者にとっては現実味のない学問に過ぎないのである。

著者が感じているある種の閉塞感には、私も深く共感する。しかし一体、著者はどこからこの行き詰まりを断罪するのだろうか。それは著者自身が接した、「自己決定主義者」(86頁)である学生たちだ。なるほど彼らをアクチュアリティの基準とする限り、自己決定を制限しようとする動きはアクチュアリティのないお説教と見なされる。しかし本当にそれだけの問題なのか。臓器売買に反対する感性のアクチュアリティを無視して議論を進めることは、結局のところ著者自身の言説をも、「応用できない倫理学」にしてしまうのではないか。いま生命倫理学に必要なのは、自己決定をめぐる賛否両論の根底にある基盤を、安易な議論に走ることなく見極めることなのではなかろうか。

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