老子もこんな風に読むとよく分かるよ
『老子』を昔読んだけど常識はずれみたいなことがたくさん書いてあったしよく分からなかった、でも、なんだか気になるんだよね、と思っていたところに『老子』に関するヘンな本があるらしい、とあなたがこのレビューにたどり着いたとしたら、この本は是非お薦めです。たまたまたどり着いたとしたらあなたはラッキーです、ぜひ、読んでみてください。 偉大な思想は含蓄が深いので、それを現す本はいろいろな読み方が出来て、一回読んで終わりというわけにいきません。この本を読むと、『老子』も「こんな風に読むとよく分かるよ」という加島さんの声が聞こえてくるようです。そして、『老子』が新しい、つまり、21世紀の中頃から末にかけて、どんどん注目度が上がってくるかも知れない、などと思えるかも知れません。
区切りに挟み込まれた写真(表紙も)とその見返しページに対のように添えられた短い英文も老子の思想(加島さんの読みとったこと)を伝えているように見えます。また、末尾には解説風エッセイや、この翻訳(?)から省かれた章のリスト、参考文献などまでチャント添えられています。
老子入門として最適
老子の教えのエッセンスが書かれているというだけあって、1章1章がたいへん短く分かりやすい作りです。ところどころに挿入されている写真も、本のイメージにとても合っていると思います。でもなんといっても、いちばんの魅力は加島さんの文章にあるのではないでしょうか。英語からの訳文とは思えないほどによくこなれた、軽妙でリズム感のある文体です。読んでいて非常に心地良さを感じました。いきなり漢文書き下し文の解説から入るよりは、老子初心者にとってはとっつきやすいと思いますし、長年の老子ファンにとっては新たな切り口から読める好著だと思います。深遠で難解に思われる”道(タオ)”が、ちょっぴり身近に感じられました。星ひとつ少ない理由は、リズムに乗ってどんどん読めてしまうの!で、あっという間に終わってしまうから(笑)。英語版がそもそも全81章無いのでどうしようもありませんが、出来るならこれで全章あったなら最高だったと思います。